■見た目スッキリ
「先代のタイプRは欲しいと思わなかったけど、新型は魅力的。というか、買った」
ボクのまわりにもそんな人が何人かいるわけですが、そういう人が新型の魅力としてまず挙げるのが、デザイン。ストレートに言ってしまえば、「先代のバキバキだったデザインは好みじゃなかったけど、新型のスマートなデザインならアリ」というわけです。
「ガンタムチック」なんて言われることもある先代のバッキバキのデザインは、アメリカ人には大好評だったとか。でも、日本人の好みには合わなかったかな…と、個人的には思っています。新しいType Rがこのデザインで本当によかった。
注目したいのはやっぱりリヤフェンダーですよね。
従来のタイプRは、ベース車両(普通のシビック)に対するワイドトレッド化への対応として、フロントフェンダーは専用品を組み合わせていました。しかし、リヤフェンダーは標準車と同じもので、その上にオーバーフェンダーを取り付けて、太いタイヤを収めていたんです。
でも新型は、タイプR専用のリヤフェンダーを装着。オーバーフェンダーを装着しないから、見た目がとてもスッキリしているのがいいじゃないですか。
●うまく作られている
「新型になって、なぜ専用のリヤフェンダーにスイッチしたの?」
彼女のそんな疑問はごもっとも。単刀直入にいえば、お金が回せるようになったからです。
専用のリヤフェンダーにするのって、お金がかかるんですよ。リヤフェンダーはフロントフェンダーと違って車体に溶接されるので、専用のリヤフェンダーを作って組み付けるには手間がかかり、そのぶんお金も必要になるわけ。だから、ハードルが高いんです。
「でも、どうして新型だとお金が回せるようになったの?」
その理由は、先代で販売台数が増え、新型はさらに多くの販売が見込めたから。実は先代シビックType Rは、歴代Type Rとしてもっとも多く売れたモデルとなったのでした。
その背景にあるのは、タイプRとしてはじめて北米への正規導入が始まったからで、待ちかねていた北米のType Rファンが狂喜乱舞。Type Rをたくさん買ってくれたというわけです。
そこで弾みがついたことで、新型シビックType Rはリヤフェンダーの専用化に踏み切ったということですね。
ところで、新型だけでなく、先代でもシビックType Rを運転して感心するのはリヤウイング。ルームミラー越しの後方視界で、まったく邪魔にならないんですよ。
あんなに大きいのに、視界に入らないようにうまく作られている。それって凄くないですか?