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■鶴見線には新型車両E131系を導入
JR東日本は、鶴見線(鶴見〜扇町・大川・海芝浦間)を運行している205系を置き換えるための新型車両E131系3両編成8本を、今冬から順次導入すると発表しました。
外観は海をイメージしたスカイブルーを取り入れ、前面のドットカラーは鶴見線の歴代車両のカラーである茶色と黄色を採用しました。
現在、鶴見線で運行している205系は、山手線と埼京線から転用改造され、9編成を2004年〜2005年に導入しました。
205系は、国鉄時代末期の1985年に登場。JR東日本では1991年まで製造され、首都圏の主要路線で活躍しました。
現在、首都圏では鶴見線と南武支線(尻手〜浜川崎間)で活躍するのみとなっています。
E131系はVVVFインバータ制御を採用して、界磁添加励磁制御の205系よりも消費電力を低減しました。バリアフリー化推進策としては、ホームと床の段差を縮小し、全車両にフリースペースを設置。また、車内ドア上に17インチ大型ディスプレイを設置して、多言語による情報提供を行います。
安全性の向上策としては、車内防犯カメラ、乗務員室防犯カメラの設置のほか、非常通報装置を従来の1ヵ所から4ヵ所に増やします、また、車体側面カメラなど、ワンマン運転に対応した機器も搭載します。
そのほか、モニタリング技術を活用した車両搭載機器や、線路設備の状態監視機能により、故障の予兆を把握。事前に対処することで、更なる安全性、安定性向上を目指します。
●他線区用のE131系との違いは?
E131系は、2021年3月に房総各線(内房線・外房線・成田線・鹿島線)用の0番代・80番代2両編成がデビューしました。房総各線用はセミクロスシート車で、トイレを設置しています。なお、線路設備モニタリング装置を搭載した車両は、+80番代としています。
2021年11月には、相模線用500番代・580番代4両編成の営業運転を開始。相模線用はオールロングシートで、トイレはありません。
2022年3月から、宇都宮線・日光線用600番代・680番代3両編成がデビュー。オールロングシート車ですが、トイレを設置。また耐寒耐雪仕様となっています。
鶴見線用E131系は3両編成。客室設備は、相模線用に準じたオールロングシート、トイレなしとなっています。さらに鶴見線用独自の仕様として、車体幅を0・500・600番代の2950mmよりも狭い2778mmのストレート車体となっているのが大きな特徴です。
●南武支線用E127系は9月13日から営業運転開始
南武支線の205系を置き換えるための車両は、2023年2月に新潟地区からE127系を転用改造することが発表されていました。今回、7月24日付のプレスリリースで、9月13日から順次、営業運転を開始すると発表されました。
南武支線用の205系2両編成は、現在3編成が在籍していますが、新潟から転用されるE127系は2編成なので、残る1編成がどうなるか気になるところです。
205系首都圏最後の牙城となった鶴見線・南武支線もいよいよ世代交代を迎え、これから沿線は盛り上がりそうです。
(ぬまっち)