■BEVバージョンには、ICEモデルの基盤の採用でコストカット
フォードのコンパクト・クロスオーバーSUV「プーマ」改良型の最新プロトタイプをカメラが捉えました。
プーマはコンパクトハッチバックとして1997年に誕生、2001年までのわずか4年で生産を終了しました。しかしその後、2019年にクーペクロスオーバーSUVとして復活、これが初の大幅改良となります。
フォードは2022年10月にハッチバック「フィエスタ」の生産を終了する計画を発表しており、SUVに力を注いでいくようです。
ドイツ市街地で捉えたプロトタイプは、フロントバンパーを完全にカモフラージュしており、デザインが新設計されることを示唆しています。
フロントエンドでは、新LEDデイタイムランニングライトを備えるヘッドライトを装備、バンパーのフォグランプを廃止することで、よりすっきりとしたデザインとなりそうです。
またフォードのエンブレムは、フェイスリフトされたフィエスタや、フォーカスと同様に、グリルの内側に移動する可能性が高いでしょう。
改良型の目玉は、フルエレクトリックバージョンの投入です。BEVには、VWグループの「MEB」アーキテクチャに基づく、エクスプローラーのように、専用プラットフォームに乗るのではなく、ICEモデルのプラットフォームを採用します。
プーマの開発車両は、6月にも捉えていますが、以前のものと比較すると、上部インテークのメッシュパターンが四角に変わっているほか、バンパーの縦型吸気スリットもなく、下部開口部も小さいです。最大の注目はリアバンパーにあったデュアルエキゾーストパイプがないことで、これらのことから、このプロトタイプがフルエレクトリックバージョンである可能性がありそうです。
改良モデルでは、インテリアも刷新される見込みです。現在の8インチの自立型インフォテインメントタッチスクリーンは、最新のソフトウェアバージョンと、多くの接続機能を備えた、より大型の12インチのユニットに置き換えられる可能性が高いと見ています。また、12.3インチのデジタルインストルメントクラスターのアップデート版、より洗練されたADAS、新しいオプションや内装トリムも搭載されるでしょう。
パワートレインのラインナップには、マイルドハイブリッドガソリンと完全電気オプションが含まれる予定となっています。ターボチャージャー付き1.0リットル直列3気筒EcoBoost mHEVは現在、オート専用STパワーシフトで最高出力125ps、155ps、170psを発揮しますが、これらがキャリーオーバーされることが濃厚です。
最大の注目は、最高出力200psを発揮する、より強力なターボチャージャー付き1.5リットル「EcoBoost」が電動化されるかどうかでしょう。もう一つの注目ゼロエミッションオプション「プーマEV」では、最高出力136psを発揮するシングルモーターと、E-Transitから供給されるリチウムイオンバッテリーが搭載されると予想されます。
プーマ改良型は、2024年後半からルーマニアのクラヨバで生産される予定で、正式デビューはそれより少し早いと予想されています。