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■「すばる」というブランドは四輪のために生まれた
安心や安全というイメージの強い四輪メーカー「SUBARU」は、2023年7月15日に創立70周年を迎えました。
ご存じのように、SUBARUという社名は2017年4月1日に変更されたもので、それほど長い歴史を持っているわけではありません。改名する前の富士重工業株式会社が70年前の1953年7月15日に誕生したというわけです。
さらにいえば、富士重工業のルーツは1917年に創設された飛行機研究所(後の中島飛行機株式会社)にあります。第二次世界大戦の際には軍用機を作っていた中島飛行機は戦後に解体され、その後各社は生き残りをかけて再編を進めます。
そうした戦後混乱期に起きた幾多の変遷を経て、富士重工業が生まれたという話もスバルファンにはよく知られていることでしょう。
●ルーツとなるラビット・スクーターは1946年に誕生
富士重工業のルーツを探ると「富士産業」という企業に辿りつきます。
富士産業という社名は、1945年8月17日、日本が敗戦した直後に中島飛行機が平和産業への転換を図った際に改名されて生まれたものです。
そんな富士産業が1946年に生んだ平和のためのモビリティが「ラビット」という名前のスクーターであったことは、ご存じでしょうか。
富士重工業が生まれる以前、もちろん「すばる/スバル/SUBARU」というブランドが誕生する前の段階からパーソナルモビリティを量産することで平和や経済発展に貢献することを企業として目指していたといえます。
しかしながら、前述したように1950年に富士産業は解体されます。
それでも「ラビット」というスクーターのブランドは発展し続けることになりました。そして富士重工業が誕生してからしばらくは「ラビット」スクーターが主力商品となります。現在のSUBARUブランドからは想像できないかもしれませんが、同社70年の歴史において二輪メーカーだった時代は意外に長く、企業としての礎を築くことにもなったのです。
そうした商品ラインナップの中にはスクーターではない、モーターサイクル「ハリケーン」シリーズもありました。当時、大ヒットした「ラビット」スクーターであっても中古バイク市場で見かけることは稀ですが、日本のモーターサイクル史を振り返る意味でSUBARUの70周年は二輪ファンにとっても見逃せない話題といえるのではないでしょうか。
●SUBARUオンラインミュージアムで富士重のバイクを振り返ろう
そんな「ラビット」や「ハリケーン」がどんな姿をしていたのか、スペックはどの程度のものだったのか、興味がある方におすすめなのが『SUBARUオンラインミュージアム』です。
こちらのサイトには技術資料車コレクションというコーナーがあり、そのページで二輪車を検索すると、ラビットやハリケーンといった富士重工業が生産してきたモデル6台がピックアップされます。そしてリンク先にいけば、各車の詳細な画像やスペックを確認することができます。
スバルの70周年と聞いても、「二輪ファンには関係ない話題だね」と感じたライダーの方こそ、SUBARUオンラインミュージアムにて、かつて日本のモータリゼーションを盛り上げたラビット・スクーターの雄姿を見てほしいと思います。
【関連リンク】
SUBARUオンラインミュージアム技術資料車コレクション
https://www.subaru.jp/onlinemuseum/find/collection/