■フルデジタル化された長方形のドライバーズディスプレイとタブレット式インフォテイメント搭載
ルノーは現在、名車「5(サンク)」後継モデルとなる新型ハッチバックを開発中ですが、その市販型プロトタイプをカメラが初めて捉えました。
同ブランドは2021年1月、後継モデルを示唆する「5(サンク)プロトタイプ」をワールドプレミアしました。
2021年5月には、市販型の車名が「R5」になることを発表。2023年7月10日には、プロトタイプによる最新ティザーイメージがリリースされていますが、ついにその実車をキャッチしました。
初代5は1972年に誕生、高性能バージョンとなる「5ターボ」も設定され、WRC(世界ラリー選手権)でも活躍。日本市場には1976年に導入されました。
最終モデルとなる2代目は1984年に登場、1996年には惜しまれつつも生産終了となっています。
後継モデルとなるR5は、日本の血を引くルノー、日産、三菱アライアンスの小型電気自動車用「CMB-B EV」プラットフォームに乗ります。ルノー・クリオに採用されている「CMF-B」アーキテクチャの部品を70%使用していますが、純粋に電気自動車専用に設計されているため、製造コストは30%安くなると同ブランドは語っています。
以前のプロトタイプは「クリオ」のテストミュールでしたが、今回は市販型ボディです。
カモフラージュは厳重で、プロトタイプから大きく逸脱していない様子がうかがえますが、ヘッドライトはダミーコンポーネントと思われます。そのほか、コンセプトと比較すると、より大きなサイドミラーを装着し、シャークフィンアンテナが追加されていることがわかります。
もう1つの注目点は、コンセプトではレーダーセンサーを組み込んだ下部エアインテークを搭載、フラッシュドアハンドルを備えた、より滑らかな側面を持っていましたが、このプロトタイプは従来のドアハンドルが採用されています。
また、アルファロメオスタイルのシークレット・リアドアハンドルがCピラー近くに取り付けられています。
後部では、バンパーの隅にあるくぼみが、排気口のような誤った印象を与えていますが、これはリフレクター用である可能性がありそうです。リアガラスは異常に小さく見えますが、これはカモフラージュのせいと思われ、ワイパーが装備されているのも市販型プロトタイプらしいです。
キャビン内では、完全にデジタル化された長方形のドライバーズディスプレイとともに、ダッシュボードから突き出たタブレット型のインフォテインメントタッチスクリーンが搭載されると予想されます。
市販型では、5 EVの電気モーターはZoeのユニットより20kg軽くなり、バッテリーはZoeの12個のモジュールから、4つのより大きなモジュールに切り替える設計により15kg軽くなることもわかっています。
動力性能も気になりますが、エンジニアリング責任者であるジェレミー・コワフィエは「初期の試乗は、このモデルがそのカテゴリーでクラス最高のパフォーマンスを備えたメガーヌ E-Techエレクトリックの子孫にふさわしいことを明確に示している」と語っており、期待が高まるばかりです。
標準のR5は2024年初頭に発売される予定ですが、ルノーのパフォーマンス部門アルピーヌは、ホットハッチバージョンを同年後半に発売する計画を持っています。