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■日本でもっとも売れている新車はN-BOXでキマリ
日本市場における新車販売台数の統計データは、登録車は日本自動車販売協会連合会(自販連)が、軽自動車は全国軽自動車協会連合会(全軽自協)のまとめている数値が基準となっています。
そして、自販連と全軽自協の統計データをホンダが整理したところ、2023年上半期(1~6月)における販売台数がもっとも多かったのは11万2248台のN-BOXだったということです。
登録車のトップはトヨタ・ヤリスで9万7421台となっていますから、販売台数ではN-BOXが圧勝。昨年に引き続き、年間での総合トップもN-BOXで決まりそうな勢いです。
しかも、N-BOXは新車効果で売れているようなモデルではありません。
現行モデルである2代目N-BOXが登場したのは2017年9月のことでした。間もなく6年が経過しようという現在でも、N-BOXから販売トップを奪取するようなライバルが登場していないというのは、N-BOXの完成度が非常に高いことを示しています。
●2015年から軽自動車の販売トップを独占する
振り返るとN-BOXは誕生した時から圧倒的に売れまくっているわけではありませんでした。
初代が誕生したのは2011年12月ですから、一年を通して販売したのは2012年からですが、その年のN-BOXは軽自動車の販売2位にとどまっていたのです。
もちろん、それまでのホンダの軽自動車(ライフやゼスト)の販売実績を考えるとN-BOXが2位となったことは驚異的なのですが、実質的なデビュー年からトップセールスだったわけではありません。
ちなみに、2012年の軽自動車販売トップ3は、1位 ダイハツ・ミラ(21万8295台)、2位N-BOX(21万1156台)、3位スズキ・ワゴンR(19万5701台)となっていました。ほんの十余年前は、背の低いセダンタイプ、スライドドアのスーパーハイトワゴン、その中間となるハイトワゴンが市場を分け合っていたのです。
その後、軽自動車のメインストリームがスーパーハイトワゴンとなると、N-BOXは売れまくります。
2013年には23万4994台で、はじめて軽自動車の販売1位となり、2015年から2022年まで8年連続で軽自動車の販売トップモデルとなります。
スズキ・スペーシアやダイハツ・タントといったライバルをものともせず、N-BOXは絶対王者といった状況です。
●ガチンコのライバルは見当たらない?
もはやN-BOXの牙城を崩すモデルは現れないのでしょうか。
最近では三菱のニューカマー「デリカミニ」が軽スーパーハイトワゴンとSUVのクロスオーバーモデルとして大いに注目を集めています。ただし、デリカミニの価格帯を考えると、N-BOXカスタムの市場ニーズを切り崩すことはできても、N-BOX全体が持つ圧倒的な市場シェアを獲得するのは難しいといえるでしょう。
さらにN-BOXは年内にもフルモデルチェンジのタイミングを迎えるという噂も聞こえてきます。初代・2代目とキープコンセプトで熟成を進めたモデルの3代目というのは非常に難しいというのが自動車業界の定説ですが、新型N-BOXがユーザーの期待を裏切らない力作であれば、圧倒的なトップセールスモデルとなることも十分に考えられます。
逆にいえば、N-BOXの人気が続くかどうかは、次期モデルがファンの期待を超えるような仕上がりであるかどうかに左右されるといえます。
はたして、次世代のN-BOXはどのように進化するのでしょうか。軽自動車マーケットのトレンドを考えると、クロスオーバーSUVテイストのグレードが登場するかもしれません。今年の下半期は、N-BOXの未来がどうなるのかを大いに注目したいと思います。