“幸せの量産”を掲げるトヨタ自動車が「コンポン研究所」を「トヨタコンポン研究所」へ社名を変更する訳は?

■多様な研究者と協業、科学領域を融合させた研究所として再出発

トヨタ産業技術記念館内にあるトヨタコンポン研究所
トヨタ産業技術記念館内にあるトヨタコンポン研究所

27年前(1996年6月)、トヨタ自動車をはじめとするトヨタグループ12社の共同出資により、愛知県名古屋市に設立された「コンポン研究所」。

故・豊田英二氏と故・豊田章一郎氏の二人が代表取締役となり、トヨタグループ創業の地である現トヨタ産業技術記念館内に設けられました。

同研究所では“人類の幸せや地球の永続への貢献”を目指し、自然科学・人文科学を含む物事の根本(コンポン)を研究しており、エネルギーや環境技術の発展などに貢献。

●主とする事業内容は?

広く知られていないかもしれませんが、コンポン研究所では「もの事の本質を常に“根本”から考える」こと、「人類の発展や地球環境の保全という視点から、目の前の単眼的な目的や収益のためだけでなく、科学技術を大きく“根本的”に見直す」ことを主目的にしており、具体的な事業内容として以下の4つを挙げています。

1.将来社会予測に関する研究、調査ならびに技術情報の提供
2.人文社会科学、自然科学と、それに基づく総合技術の 研究、試験、調査
3.科学技術の開発、利用およびその効果と影響に関する研究、試験、調査
4.諸国、諸行政機関、諸団体、あるいは諸研究機関と、それぞれ相互に受委託または共同して行う研究、試験、調査ならびに研究者および技術者の養成と訓練

●研究所の名称を変更した理由は?

新生「トヨタコンポン研究所」のシンボルマーク
新生「トヨタコンポン研究所」のシンボルマーク

昨今ではAIの台頭など、様々な分野においてサイエンスとテクノロジーが進化し、社会が大きな変化の時代を迎えており、当初の設立意図である「何を研究するかを研究する研究所」としての役割がますます重要になっていると言います。

世界的にカーボンニュートラルに向けた取り組みが本格化するなか、トヨタは同研究所の新たなスタートにあたり、世界トップの多様な研究者が集う研究所を目指し、2023年7月3日にグローバルで認知されているトヨタの名前を加えて社名を「トヨタコンポン研究所」に改めました。

トヨタ自動車の内山田Executive Fellow
トヨタ自動車の内山田Executive Fellow

代表取締役には内山田 竹志氏(トヨタ自動車Executive Fellow)が6月30日付けで就任。今後は多様なアカデミアの研究者(大学教授等)と協業し、様々な科学領域を融合させた新しい知識につながる基礎研究テーマを探索・探査していくそうです。

また未来の社会づくりに携わるトヨタグループ全員が最新のサイエンスに触れ、興味関心を高める場作りにも取り組むそうで、志を共にする仲間を広く募ることで時代を先取りした研究に繋げる考えのようです。

Avanti Yasunori

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【関連リンク】

㈱トヨタコンポン研究所
http://www.konpon.com/

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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