2連覇を目指す「チーム三菱ラリーアート」がアジアクロスカントリーラリー2023の参戦体制を披露

■総走行距離は約2000kmで、山岳部、密林地帯、泥濘路、川渡りなどがある過酷なラリー

三菱自動車が技術支援する「チーム三菱ラリーアート」のアジアクロスカントリーラリー2023(AXCR2023)の参戦体制が2023年6月30日に発表されました。

「チーム三菱ラリーアート」が「アジアクロスカントリーラリー2023」の参戦体制を発表
「チーム三菱ラリーアート」が「アジアクロスカントリーラリー2023」の参戦体制を発表

今年で28回目を迎える「AXCR2023」は、2023年8月13日にタイ有数の観光地であるパッタヤーでのセレモニアルスタートによって開幕。翌14日から本格的な競技がスタートし、カンボジア国境に沿うように東へ移動し、17日にラオスに入国、19日にゴールを迎えます。

チャヤポン/ピーラポン組
チャヤポン/ピーラポン組

総走行距離は約2000kmで、その内競技区間は1000kmを超え、今年もコースは山岳部、密林地帯、泥濘路、川渡りなど変化に富み、走破性と耐久性が問われる難コースになるのは必至。

また、例年どおり雨期である8月に開催されるため、昨年以上に厳しいマッドコンディションとなることも想定されているそうです。

リファット/シューポン組
リファット/シューポン組

昨年と同様に三菱自動車の増岡 浩氏が総監督を務め、ドライバーは昨年のAXCR覇者であるチャヤポン・ヨーター氏(タイ)、リファット・サンガー氏(インドネシア)が引き続き起用され、日本人ドライバーの田口勝彦氏も新たに起用されます。

「AXCR2022」に初出場・初優勝という快挙を成し遂げた「チーム三菱ラリーアート」。ラリーのノウハウが連綿と受け継がれているのを証明しました。

ドライバー/コ・ドライバーは、ディフェンディングチャンピオンであるチャヤポン・ヨーター(タイ)/ピーラポン・ソムバットウォン(タイ)組、2022年に5位に入ったリファット・サンガー(インドネシア)/シューポン・シャイワン(タイ)組に、田口勝彦/保井隆宏の日本人コンビが加わります。

田口/保井組
田口/保井組

チームは3台体制となる新型トライトンの「T1仕様(改造クロスカントリー車両)」で連覇に挑むことになります。同チームを運営するタントスポーツ(タイ)には、三菱自動車からダカールラリー2連覇の経験をもつ増岡 浩氏が総監督として2023年も指揮を執るのをはじめ、開発部門のエンジニアがチームに帯同し、テクニカルサポートも含めた万全の体制が敷かれることになります。

チームは、2023年6月19日~23日にタイの中央にあるカオヤイ国立公園周辺のオフロードコースで本番が想定された高負荷の耐久テストを実施したそうです。ボディ、フレーム、シャシー、エンジンなど、すべてが刷新された新型トライトンをベースに、競争力を大幅に引き上げたとしています。

今回のラリーカー耐久テストでは5日間で約800kmを走り込み、主に車体とエンジンの信頼性・耐久性を確認しながら、本番に向けた調整が行われました。

新型トライトンをベースとしたラリーカーのテストの様子
新型トライトンをベースとしたラリーカーのテストの様子

増岡総監督は

「すべてが生まれ変わった新型トライトンが持つ、ベース車の良さを活かして、さらにハンドリング、悪路での走行安定性、乗り心地を向上させました。また、ターボの改良により低回転から高回転域まで全域でのエンジンレスポンスを向上させ、力強い走りを実現しています。どのような路面状況にも対応できる素晴らしいラリーカーに仕上がりました。
今回の現地耐久テストでは、大きな初期トラブルもなく、本番よりもハードなコース設定でしたが、テストカーはそれぞれ約800kmを走破し、期待以上のパフォーマンスを確認することができました。2連覇に向けて大きな手応えをつかむことができました」

と、2連覇に意欲を示しています。

中央が増岡総監督
中央が増岡総監督

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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