■グリーンスローモビリティが地域を救う!
JAFってご存知ですよね? 免許証を持っていれば、大体の人が知っているだろうし、多くの人が会員だと思います。会員数2,000万⼈以上で、60年の実績と品質を誇るロードサービスがウリなんだそうです。
聞くところによると、高度経済成長の1963年に誕生したJAFは、当時、増え続けながら故障も多かった日本のクルマを道路に放置するわけにはいかない、ということで、クルマを売る人たちの集団である自販連(一般社団法人日本自動車販売協会連合会)と警察などによって生まれたのだそうです。
利益を目的としていないため、年会費4000円には一切税金がかからないのだそうです。本体を買うにも、維持していくにも、ガソリンを入れることでも、自動車を走らせるにはやたらと税金がかかってきますが、JAFの会費には税金がかかっていないとは正直ビックリしました。JAFが利益追求団体でないのはもちろん、それだけ必需性が認められているということでしょう。
そうして生まれたJAFですが、会員になるとレストランやお土産屋さん、ガソリンスタンドなどでお得になる特典があって、ドライブをサポートしてくれる機能もあるわけです。
クルマでの移動を支え、日本のモータリゼーションと共に歩んできたJAFですが、ご存知の通り日本は高齢化が問題と叫ばれるようになりました。
年を召して運転が困難な人が増えながらも、公共交通機関が便利でない地域が多く存在します。また、クルマの乗り入れを制限する観光地もあります。
そうした地域での、クルマでの移動をサポートしようと立ち上がったのが、JAFなのです。
そのために使用するクルマは、ヤマハ発動機の電動カート車両。主にゴルフ場やリゾート施設内などで使用されるもので、長い歴史を持ち、耐久性や安全性などの実績はお墨付きです。
こういった車両を用いた移動手段サービスを「グリーンスローモビリティ」と国土交通省と定め、『時速20km/h未満で公道を走ることができる電動車を活用した小さな移動サービスで、その車両も含めた総称』としています。
全国に支部があり、言うまでもなく修理工場のネットワークとのつながりがあるなど、地域との関係性が強いJAFが、高齢化で移動が困難とか、観光地の送迎や風景を楽しむための移動の手段が必要、といった、地域によるそれぞれの悩み事を解決する手助けをするわけです。
その地域のお悩み解決案を、ヤマハ電動カートを運行させるプランを一緒に考え、メンテナンスや、運行のサポートをJAFが行っていくのだそうです。
先ほど述べたように、JAFは利益追求団体ではないので、運行してお代をいただくのではなく、導入や運用のサポートを行い、あくまでも運用するのはそれぞれの自治体やその地域の企業などを想定しているといいます。
60年も地域と密接に繋がり、様々な自動車のトラブルに対処してきたJAFならではの現実的なサポートがあれば、導入へのハードルはかなり下がってくれそうです。それに使用するヤマハの電動カート車両は、私も沖縄の北谷という限定地域で乗りましたが、遅いからこそ風景も楽しめる、安心して乗れるヤマハらしい乗り物であることも間違いありません。
地域の課題解決はいろんなところで解決策が提案されていますが、今回のJAFとヤマハ発動機の組み合わせによるグリーンスローモビリティなら、とても現実的に感じます。きっと少しずつ、どこかの地域の課題を解決してくれるに違いないと思いました。
(文・写真:クリッカー編集長 小林和久)
【関連リンク】
JAFグリーンスローモビリティ:https://jaf.or.jp/corporate/partnership/municipality/green-slow-mobility
ヤマハ発動機グリーンスローモビリティ:https://www.yamaha-motor.co.jp/gsm/