■蛇尾川に2ヵ所ある洗い越しは必見
道路と川が平面交差する「洗い越し」。栃木県那須塩原市の蛇尾川(さびがわ)にも洗い越しがありますが、一見すると川を横断していると思えない、異様な光景が展開しているのが特徴です。
洗い越しは川底に道路があり、道路の上を川が流れているのが一般的です。
蛇尾川の洗い越しは、那須塩原市の笹沼地区と箕輪地区にあります。笹沼地区はブリヂストン プルービンググラウンド(テストコース)の裏手、箕輪地区はつくるまサーキット那須の南東にあります。
笹沼の洗い越しへは、ブリヂストン プルービンググラウンド側からアプローチした方が分かりやすいです。
洗い越しへは、プルービンググラウンドの北側に沿った道で向かいます。手前には「この先蛇尾川降雨時通行止 那須塩原市」の黄色い標識が建てられています。
木々の間を抜けると視界が開け、蛇尾川の洗い越しが始まります。蛇尾川はかなりの川幅があるのですが、一般的な洗い越しに見られるような道路上を流れる川が見えません。
さらに川の中央部まで進んでも、川の水はありません。実は、この付近を流れている蛇尾川の中流域十数kmは、いわゆる水無川となっていて、川の水は地下を伏流水として流れています。ですので、一般的な洗い越しのようなウォータースプラッシュはありません。その代わり、世紀末の荒野みたいな風景を楽しむことができます。
箕輪地区の洗い越しは、会津中街道の一部となっています。しかし、この付近はメインルートにはなっていないので、アプローチする道はちょっとわかりづらいかもしれません。
西岸からアプローチすると、年季が入った「この先蛇尾川降雨時通行止」と「大雨・台風などで増水の危険がある時は通行を禁止します」標識がお出迎え。舗装が途切れる場所には、蛇尾川の標識が建っています。
流路の部分はまっすぐ横断。道幅はかなり広いです。地元のクルマも結構通過しているので、生活道路としても機能しているようです。
水が流れていることを想像することができないぐらい、水がない蛇尾川の洗い越。しかし、増水すると大量の水が流れるほど表情が一変して、洗い越しも通行止となるそうです。水無川状態の蛇尾川の洗い越しの風景もちょっと怖くなるぐらいで、一見の価値があります。
(ぬまっち)