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■ジェッタのサイズ感や乗り味が諦められず、左ハンドルの北米仕様を手に入れたオーナーの話
トヨタや日産、スズキなど、同じ自動車メーカーに乗り続ける人もいます。筆者の周りには、30年間トヨタ・カローラだけ乗り続けるというこだわり派のユーザーがいます。このユーザーはフルモデルチェンジだけでなく、マイナーチェンジでも乗り替えるというツワモノです。
今回取材したペンネーム・ヤナポさんは、フォルクスワーゲン(VW)・ジェッタに魅了されて、国内に導入されていない現行モデルを並行輸入して乗っている、ジェッタ推しのヘビーユーザーです。
VWジェッタは、5ドアハッチバックのベンチマークであるゴルフをベースとしたセダンです。ゴルフ3をベースとしたモデルは、日本市場ではヴェント、ゴルフ4をベースとしたモデルはボーラという名前で販売されました。
2006年に登場したゴルフ5をベースとした5代目のジェッタが登場しますが、日本市場ではこのモデルが最後となり、以降は日本導入されていません。
そしてヤナポさんの購入した6代目ジェッタは、ゴルフ6のコンポーネントを流用していますが、全長が90mm、ホイールベースが60mm拡大され、初めてゴルフと異なるホイールベースのモデルとなりました。そして、現在ジェッタは北米専売モデルとなっています。
●流麗なルーフラインの美しさと高い実用性がジェッタの魅力
ヤナポさんがセダンにこだわる理由の一つは、自動車教習所で初めて乗ったクルマがマツダ・カペラでした。その後購入したのは、100系のトヨタ・チェイサーと、筋金入りのセダン推しユーザーです。
現在の愛車の前に7年間乗っていたのが、2Lターボエンジンを搭載した5代目のVWジェッタ2.0T。当時、レクサス・ISと悩んだそうですが、デザインと全長4,565mm×全幅1,785mm×全高1,450mmというサイズ感でジェッタを選んだそうです。
ヤナポさんはジェッタを購入する際、試乗をするためにディーラーに行ってみると、ジェッタを置いているところはなく、同じスペックのゴルフを試乗し、走行安定性の高さに驚きセダンのジェッタを購入しました。
これまで所有したクルマ同様に、ジェッタもホイールの交換やローダウンなど、様々なカスタマイズを施しました。ジェッタ自体ほとんど街で見掛けることのないクルマなので、ローダウンするとその存在感はさらに高くなるので、大満足だったそうです。
走行性能の高さはもちろん、デザイン、サイズ感、そして誰も乗っていないレア度という点でジェッタに魅了されたヤナポさんですが、次の愛車を探す際にアクシデントが発生します。
それは、ジェッタが日本に導入されないことでした。
●左ハンドル車ゆえ日本では正直使いにくさもある
近年、国産車だけでなく、輸入車もメルセデス・ベンツやBMWを除くと、セダンはかなり逆風が吹いており、まさにジェッタの日本未導入はこうした流れの影響です。
しかし、ジェッタ愛に燃えるヤナポさんはジェッタを諦めきれず、ネットで検索すると、北米仕様のジェッタを輸入しているショップを発見し一目惚れ。2013年に、2012年のジェッタGLiを298万円で購入したそうです。
前のジェッタは日本仕様のため右ハンドルでしたが、現在所有しているクルマは北米仕様のため当然、左ハンドル。利便性はとても悪いそうです。そして、赤というボディカラーは塗装の劣化が激しく、コーティングなどの費用も掛かるそうです。
そんなヤナポさんが、赤のジェッタに乗り続ける理由は、このジェッタは奥様と初デートに行ったクルマであり、家族の思い出が詰まっているからだそうです。
存在感の薄目なセダンのジェッタですが、赤のボディカラーならばカスタマイズしなくても十分目立ちますし、リアのチャイルドシートからは幸せオーラが漂っています。ノーカスタムでも、街を彩る真っ赤なボディをいつまでも輝かせて下さい。
(文・写真:萩原 文博)