■現行型の4.0リットル自然吸気の水平対向6気筒エンジンを維持するもパワーアップ
ポルシェが現在、開発を進めるサーキット志向の「911 GT3」改良型プロトタイプが、ニュルブルクリンクの高速テストに出現しました。
992世代の「911 GT3」は、スポーツカーとして可能な限り完璧であり、フェイスリフトの必要はまったくないと主張する顧客も多数います。
しかし、他のすべての911モデルのアップデートに伴いGT3も「992.2世代」へ移行し、さらなる高みを目指しています。
ニュルブルクリンクで捉えたプロトタイプは、フロントバンパーのコーナーエアインテークを黒いパネルで完全にガードしているほか、ヘッドライトもマスキングがほどこされており、ディテールは不明ですが、ランプには方向指示器が組み込まれています。またボンネットのエアスクープは現行型から継承されていることがわかります。
リアエンドでは、隠蔽パネルがテールライト側面を覆い、バンパーもまるごとカモフラージュされていますが、縦基調のスリムなアウトレットが新たに配置されているほか、ダミーのリフレクターが張り出しており、大掛かりな変更がなされることを示唆しています。
センターに配置されているデュアルエキゾーストパイプは拡大され、ディフューザーも新デザインとなっています。
GT3改良型には、このバージョンに加えてアップデートされた「911 GT3 ツーリング」も登場しますが、現行型同様にリアの大型ウィングは装備されません。
ベースとなる911のインテリアには、フルデジタルインストルメントクラスターが採用されており、 GT3も同じセットアップを持つことは理にかなっているでしょう。
パワートレインは、現行型の4.0リットル自然吸気の水平対向6気筒エンジンを維持、6速マニュアルトランスミッション、または7速PDKが組み合わされます。9000rpmまで回るボクサーは最高出力502ps・最大トルク469Nmを発揮しますが、改良型では既存の「GT3 RS」の525psに匹敵するパワーを持つ可能性もありそうです。
911改良型となる「992.2」バージョンのワールドプレミアは、2023年内と予想されますが、ポルシェが改良されたすべての車両を一度にプレミア公開する可能性は少なく、GT3 RSは2024年以降になる可能性が高いでしょう。