トヨタ「ヤリスクロス」とレクサス「LBX」を比較! ベースが同じでもココまで違う?

■全長はヤリス クロスと僅差。拡幅により車格感アップ

トヨタ自動車のデザイン部門を統括するサイモン氏
トヨタ自動車のデザイン部門を統括するサイモン氏

トヨタ自動車が、2023年6月5日にイタリア・ミラノでワールドプレミアしたレクサス「LBX」。

その車名は「レクサス・ブレークスルー・クロスオーバー」を意味しており、日本での発売は今秋以降を予定しているそうです。

「コンパクトサイズながらも、これまでの高級車の概念を変えるクルマをつくりたい」との想いをもとに、本物を知る人が気負い無く乗れるクルマを目指したとしています。

レクサス「LBX」(プロトタイプ)の走行風景
レクサス「LBX」(プロトタイプ)の走行風景

基本素性と電動化技術を徹底的に鍛え上げ、ドライバーとクルマが一体となり、いつまでも運転していたいと思える操縦性と、乗員が自然に笑顔になれるような快適性を追求。

●レクサスならではの高級感を演出

レクサス「LBX」(プロトタイプ)のフロントマスク
レクサス「LBX」(プロトタイプ)のフロントマスク

LBXのフロントマスクは、近年のレクサス車に倣い、バンパー開口部をメッシュパターンで覆った、新たなデザインモチーフ「ユニファイドスピンドル」を導入。

左右のヘッドランプ間を細幅ラジエターグリルで繋いでおり、過度な押し出し感を抑えたシンプルな造形になっています。

ヤリス クロスとLBX(上)のサイドビュー比較
ヤリス クロスとLBX(上)のサイドビュー比較

サイドから見ると、フード上面が車両先端まで水平に延びているヤリス クロスに対し、LBXではフード先端部が下げられており、ショートオーバーハングに見せることで塊感を演出。

レクサス「LBX」(プロトタイプ)のリヤ周り
レクサス「LBX」(プロトタイプ)のリヤ周り

斜めから見ると、前後フェンダーパネルの張り出しが非常に強く、ボリューミーな面作りがなされており、これにより“踏ん張り感”が強調されています。

また、Cピラー部はガーニッシュで覆われており、後方まで延びるルーフモールと相まって上質感を演出。

ヤリス クロスとLBX(右)のリヤビュー比較
ヤリス クロスとLBX(右)のリヤビュー比較

そして目を惹くのが、ホイールアーチ形状。スクエアタイプを採用するヤリス クロスに対して、アーチタイプとすることで、差別化が図られています。

一方のリヤ周りについても、上下にクランクした個性的な細幅LEDランプ採用により、斬新なイメージに仕上がっています。

●圧倒する車幅でヤリス クロスと差別化

ヤリス クロスとLBX(右)のフロントマスク比較
ヤリス クロスとLBX(右)のフロントマスク比較

ちなみに、LBXの車両サイズは全長4,190×全幅1,825×全高1,560mmでホイールベースが2,580mm。

ヤリス クロス(Zグレード)と比較すると、その差はそれぞれ+10mm/+60mm/-30mm/+20mmとなっており、中でも60mmに及ぶ車幅差が注目されます。

レクサス「LBX」(プロトタイプ)の走行風景
レクサス「LBX」(プロトタイプ)の走行風景

その車幅は、クラウン クロスオーバーやレクサスUX(共に1,840mm)に迫るほどで、レクサス最小のSUVと言えども、日本の駐車場ではそれなりに気を遣いそうです。

また、全高が立体駐車場の1,550mm制限を越えていますが、日本仕様ではルーフ上のシャークフィンを廃することでクリアしている模様。

●インテリアの上質感を強調

LBX(左)とヤリス クロスのインテリア比較
LBX(左)とヤリス クロスのインテリア比較

ヤリス クロスでユーザーからの指摘が多かったインテリアの質感ですが、LBXではシートやインパネ前面、前後ドアトリムに手触りの良さそうなスエードが張られており、ワンランク上の上質さを感じさせます。

レクサス「LBX」のインテリア
レクサス「LBX」のインテリア

また、レクサス上級モデルに先んじて、12.3インチのフル液晶メーターが搭載されており、インパネ中央にも9.8インチのモニターが配されています。

これらの装備はコンパクトモデルながらも、レクサスとしての高級感演出に大きく寄与しそうです。

●改良版「GA-B」プラットフォームを採用。システム出力をアップ

LBXでは、ヤリスクロスが採用する「GA-B」プラットフォームの改良版を導入。FF/4WDの2仕様が設定されており、欧州向けには転がり抵抗が少ないミシュラン製 e·PRIMACY(225/55R18)タイヤを装着。

バッテリーは、新型アクアから導入されたバイポーラ型ニッケル水素電池が採用されており、大電流を一気に流せることでレスポンスが向上。

現行ヤリス クロスの走行風景
現行ヤリス クロスの走行風景

これにより、ハイブリッド・システムの最大出力は、ヤリス クロスの116psから136psまで向上しているようです。

そして気になるのは、やはり車両価格。

レクサス「LBX」(プロトタイプ)のエクステリア
レクサス「LBX」(プロトタイプ)のエクステリア

ヤリス クロスはコンセプトカーをそのまま市販化したような斬新な外観や、リーズナブルな車両価格(189.6~293.6万円)により人気を博しました。

LBXでは上級モデルのUX(400万円~)との関係を考慮すると、恐らく300万円台後半からの設定になりそう。

いずれにしても、今夏以降に開示が予想される詳報が待たれます。

Avanti Yasunori

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レクサス LBX
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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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