「車中泊」で困った1位は「トイレ」が近くにない場所でのクルマの寝泊まり。マナー違反になる場合もある!?

■「車中泊」の経験者に困ることをアンケート調査

コロナ禍での制限もなくなった昨今、クルマを使った旅行やドライブを楽しむ人も増えているようです。特に最近は、アウトドア・ブームの影響もあるのか、クルマのなかで寝泊まりをする「車中泊」も注目されていますが、実際にどれくらいの人が経験したことがあるのでしょう?

景色がいい公共の駐車場でも、車中泊は禁止されている場合もある
景色がいい公共の駐車場でも、車中泊は禁止されている場合もある

また、そうした人たちが車中泊をする際に「困ること」には、どんなことがあるのでしょうか?

日本トレンドリサーチとグーネット中古車が共同で実施したアンケート調査(全国の男女600名を対象)では、もっとも困ることの1位は「トイレ」。

でも、その理由をみてみると、そもそも車中泊をやるとマナー違反になるような場所を使っている可能性もあるようです。

では、一体どういったケースが考えられるでしょうか? 今回のアンケート調査をもとに検証してみます。

●女性30.2%、男性50.7%が経験あり

最初に、今回の調査内容と主な結果を紹介します。ちなみに、調査は、2023年4月27日〜5月5日の期間、インターネットにより行われたものです。

まず、「自動車で車中泊をした経験がありますか?」といった質問については、

女性30.2%
男性50.7%

以上の方が、車中泊の経験が「ある」と回答しており、世代別では50代がもっとも多く、51.3%が車中泊をした経験があると答えているといいます。

主にどのような理由で車中泊をしたか(出展:日本トレンドリサーチ)
主にどのような理由で車中泊をしたか(出展:日本トレンドリサーチ)

調査では「車中泊の経験がある」と答えた256名に、「主にどのような理由で車中泊をしたか」も質問。

3割以上となる33.2%が「宿泊費の節約」と答えて1位に。続いて「宿がなくやむを得ず」(27%)、「アウトドア感を楽しむため」(13.7%)などが続きました。

●車中泊で「トイレ」に困る理由

次に、調査では、車中泊の経験者256名に、「車中泊するうえで困ること」についてアンケートを実施。「もっとも困る」ことのベスト3は、

1位:「トイレ」 41.4%
2位:「寝心地の悪さ」 25.4%
3位:「お風呂」 9.4%

車中泊でもっとも困ること(出展:日本トレンドリサーチ)
車中泊でもっとも困ること(出展:日本トレンドリサーチ)

となっています。

なお、1位になった「トイレ」に困る理由には、以下のような回答があったそうです。

【「トイレ」がもっとも困ると思う理由の例】
・近くにトイレがない場合はとても困るから(20代・男性)
・これだけは我慢しようとしても無理だから(50代・男性)
・行きたい時に行けないので(40代・女性)
・夜中にトイレに行きたくなった時、とても怖い。(40代・女性)
・コンビニにトイレを借りに行く度に、何か買わないといけないと思うから(50代・男性)

●車中泊はトラブルにならない場所で

こうして困る理由の例を見てみると、車中泊をする場所の近くにトイレがないケースもあることが予想できます。

道の駅では、車中泊がOKの場所と禁止されている場所がある
道の駅では、車中泊がOKの場所と禁止されている場所がある

あくまで想像ですが、そうしたケースでは、たとえば公共の駐車場などで車中泊をしている可能性もありますね。もしそうであれば、車中泊のマナーを守っていないことも考えられます。

特に近年は、車中泊にまつわるトラブルは増加傾向だといわれています。

たとえば、道の駅や高速道路上の施設、公園などの公共駐車場などでの車中泊。キャンピングカーのビルダー(メーカー)が加盟する「日本RV協会」によれば、こうした場所で車中泊する人の中には、ゴミをポイ捨てしたり、夜中までエンジンを始動させたり発電機を使い騒音を出す人、さらには電源の不法使用やバーベキューをやるなど、さまざまな迷惑行為を行うケースがあるそうです。

それらにより近年は社会問題にもなっており、キャンピングカーや車中泊をするクルマなどが、そうした公共の場所から閉め出しされるケースもあるといいます。

オートキャンプ場やRVパークなど、車中泊が前提の施設ならトラブルは起きにくい
オートキャンプ場やRVパークなど、車中泊が前提の施設ならトラブルは起きにくい

そう考えると、車中泊をする場合は場所にも注意したいところですね。

基本的に、車中泊を前提としたオートキャンプ場やRVパークなどを利用する場合は、トラブルや問題になることは少なく、そうした施設にはトイレもちゃんとあることがほとんどです(もちろん、夜中エンジンをかけっぱなしにしたり、ゴミの不法投棄などは御法度ですが)。

一方、たとえば、なんらかの理由で「やむを得ず」車中泊をする場合などでも、公共の駐車場などを使うと、トラブルの要因になる可能性も十分にあります。

できるだけそうした場所は避け、車中泊を許可された施設を使う方が、結果的にトイレなどの問題も起こりにくいですし、気兼ねなく旅を楽しめるといえるでしょう。

クルマで気軽に旅をするには最適な車中泊ですが、くれぐれもトラブルにならないよう十分に注意したいものです。

(文:平塚直樹 *写真はすべてイメージです)

【関連リンク】

日本トレンドリサーチ公式ホームページ
https://trend-research.jp/17897/

グーネット中古車
https://www.goo-net.com/

この記事の著者

平塚 直樹 近影

平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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