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■ベテランライダーが経験した間抜けな失敗を繰り返さないで欲しい
「なんであのとき、あんなことをしたんだろう?」バイクに長く乗っていればミスもします。その理由は無知だったり、うっかりしていたりとさまざまですが、知っていれば、気をつけていれば避けられたかも。
バイク歴30年近いベテランライダーが、過去に経験した失敗談をシリーズでお伝えします。同じような間抜けなミスをしないように反面教師にしていただければ幸いです。
第4回は、カッパを着て乗っていたのに、股間からお尻がびっしょり濡れてしまったお話です。もちろん自分で漏らしたわけではありません。
●カッパを着ていれば雨の中でも快適?
あれは何年か前のゴールデンウィークのある日。私は事情があって、午後から雨という天気予報だったにもかかわらず、バイクで出かけました。基本的に雨のときにはあまり乗らないようにしているのですが、一応バイク用のちゃんとしたメーカーのレインウエアは持っているので、この日も持っていきました。
午前中はさいわいほとんど降らなかったのですが、昼頃に雨が降り出しました。タイミングよくカッパを着ることができた私は、しばらくは問題なく走っていましたが、次第に土砂降りとはいわないまでも、ヘルメットに当たる雨の音が聞こえるくらいの本格的な雨足になってきました。
しばらくすると、どうもお尻が湿っぽいような気がしてきました。
これ、実はけっこうわかりにくいのです。座っているシートは当然、雨でビショ濡れになっていますから、お尻に伝わる“水っぽい”感触が、ズボンやパンツまで濡れているせいなのか、それともレインウエアの外側なのか、簡単には判別できません。
「なんかお尻に染みてきているような気がするよなぁ…」とうすうす思ってはいましたが、もはや手もビチョビチョの状態だったので、トイレに行ったときにズボンを触っても、濡れているかどうか確信が持てないのです。
●やっぱり股間からお尻はビチョビチョ
けっきょく、雨が染みていたのかどうかを認識できたのは、夕方帰宅してからでした。
しっかりタオルで手を拭いてからさわってみると、ズボンの股からお尻、太ももの裏側あたりは、完全にビショ濡れでした。「ツーッ」と水が入り込んできたのだったら、水が染みてきたことは瞬時にわかるのでしょうけど、じわじわと染み込んでくると、染みてきた水が体温で温められるせいか、パンツがビショ濡れになっていても、よくわからないんですよね。
もっとも、わかったところで帰宅するまではもうどうしようもないわけですが…。
さて、ちゃんとしたレインウエアを着ていたのに、どうしてお尻に水が染みてきてしまったのでしょうか? それは、カッパを脱いでみてわかりました。
ちょうど股の部分のシーリング材がはがれてしまっていたのです! これでは水が染みるはずです。
前述のとおり、私は雨の日はあまりバイクに乗らないため、このカッパも綺麗な状態で保たれているように見えました。でも、買ってからは年数がたっていたので、経年変化でシーリング材がはがれてしまっていたのでしょう。
一応説明をすると、防水生地を使ったレインウエアといえども、通常はどこかで縫い合わせないと服の形にはなりません。縫い合わせた場所は、そのままだと縫い目の隙間から水が染みてしまうので、隙間をふさぐように裏側からシーリング材が貼り付けられています。接着剤でくっつけるこのシーリング材は、生地そのものよりどうしても耐久性が低く、長く使っていると最初に劣化して水漏れの原因になる部分でもあります。
私のレインウエアは外観がキレイだったために、シーリング材が劣化していることなんかまったく気づかないまま使っていたのでした。
●バイク用のレインウエアはひと工夫されている
ただ、ネットで検索したところ、バイクに乗っていると、レインウエアの股間部分というのはどうも弱点のようで、そんなに古くないカッパでも染みてくることはあるようです。原因は、その部分に水がたまるからだとか、すれるからだとか、圧力がかかるからだとかいろいろな説があります。
一方で、バイク用のレインウエアは、股間部分にひと工夫されているものも多くあります。というのは、一般的なアウトドア用のレインウエアは、お尻の部分に縫い目があるものも多いようですが、バイクの場合、そこが弱点であることはわかっているので、お尻の部分には縫い目がこないような作りになっているんですね。
もちろん、膝を曲げて乗るので、一般のレインウエアよりも股下が長めに作られていたり、走行風によるバタつきを防ぐためのフラップが備えられていたりもします。なので、やはりバイクに乗るときには、バイク用のレインウエアが優れているのです。
私のレインウエアも、バイク用のものだったので、縫い目の位置は考慮されたものでした。なので、雨が弱ければあまり染みてこなかったかもしれません。でも、本降りの雨の中ではやっぱりダメでしたね。
というわけなので、カッパは外見だけでなく、裏側のシーリング材が劣化していないかも、ときどきチェックしてあげましょう。特に股間部分には気をつけたほうがいいですよ。
(まめ蔵)
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