「鬼滅の刃」の無限列車モデル?など、代表的&希少車両を多数展示している青梅鉄道公園がリニューアルのため9月から休園に

●鉄道90周年で開園した青梅鉄道公園

JR東日本は、青梅鉄道公園をリニューアルするために、2023年9月1日(金)から2025年度末まで休園することを発表しました。

リニューアルによる休園が発表された青梅鉄道公園
リニューアルによる休園が発表された青梅鉄道公園

青梅鉄道公園は、国鉄が鉄道90周年事業として1962年に東京都青梅市永山(青梅線青梅駅から徒歩10分)に開園しました。入園料は小学生以上100円と破格で、地元のファミリーにとっては子どもを遊ばせる憩いの場所になっています。

現在、展示されている車両は10両ですが、ここでしか見ることができない車両もあります。

2120形2221号機は明治時代の代表的な貨物用SLです
2120形2221号機は明治時代の代表的な貨物用SLです

開園当初から保存されている2120形2221号機は、2100形、2400形、2500形と共に明治時代にイギリスから輸入したSLです。これら4形式はB6と呼ばれ、貨物列車の牽引や入換で活躍しました。

B6はSLブームの前にほとんどの車両が引退したので、保存されているのは僅か6両。このうち、常時見ることができるのは2両だけで、2221号機はかなり貴重です。

明治時代を代表する旅客用SLとして活躍した5500形5540号機
明治時代を代表する旅客用SLとして活躍した5500形5540号機

5500形5540号機は、明治時代に日本鉄道(現・東北本線・常磐線・高崎線・山手線)が導入したSLです。日本鉄道が国有化された際に、官設鉄道と総武鉄道(現・総武本線)の機関車と合わせて5500形となりました。5500形としては唯一の保存機ですが、東武鉄道に譲渡した5・6号機は、東武博物館で保存されています。

8620形8620号機は大正時代を代表する旅客用SLのトップナンバー
8620形8620号機は大正時代を代表する旅客用SLのトップナンバー

8620形8620号機は、大正時代を代表する旅客用SLだった8620形のトップナンバーです。8620形は人気マンガ・アニメ「鬼滅の刃」の無限列車のモデルになったSLだと言われています。8620形の保存機は各地にありますが、トップナンバーであることが貴重だと言えます。

9600形9608号機は大正時代を代表する貨物用SLです
9600形9608号機は大正時代を代表する貨物用SLです

9600形9608号機は大正時代を代表する貨物用SLで、旅客用の8620形とともに各地で活躍しました。9608号機は現存している9600形では一番古い車両で、9600形本来の形態を残しています。

C11形1号機は昭和時代を代表するタンク式SL
C11形1号機は昭和時代を代表するタンク式SL

C11形1号機は戦前から戦後にかけて製造された国鉄の傑作タンク式SLであるC11形のトップナンバーです。C11形は全国各地で保存されていますが、最初期の22両の中で、現存しているのは1号機だけです。

日本のSLを代表するD51形452号機
日本のSLを代表するD51形452号機

D51形452号機は、日本の代表的SLデゴイチの1両。引退する前は竜華機関区に配置されていました。

452号機の特徴は煙突の部分に集煙装置を搭載していること。これは、トンネルを通過するときの煙の流れをコントロールして運転室に侵入する煙を減らすものです。集煙装置は製作を担当した工場によって形態が異なり、452号機のものは鷹取工場式(兵庫県)です。

5個の動輪が特徴のタンク式SL、E10形2号機
5個の動輪が特徴のタンク式SL、E10形2号機

E10形2号機は、国鉄最後の新造SLです。奥羽本線板谷峠用として製造され、トラクションを得るため動輪を5個配置しています。また、日本最大のタンク式SLです。E10形は5両しか製造されませんでした。板谷峠が電化された後は北陸本線に移りましたが、1962年には全車引退。保存されているのは2号機だけで、とても貴重です。

ED16形は青梅線の主として長い間活躍しました
ED16形は青梅線の主として長い間活躍しました

電気機関車のED16形1号機は、青梅鉄道公園のお膝元の青梅線で、1949〜1984年の長きにわたって活躍しました。ED16形は中央本線と上越線向けに開発した国産電気機関車の嚆矢です。18両が製造されましたが、現存しているのはこの1号機のみとなっています。

22-75は東海道・山陽新幹線0系の先頭車で、子供達に人気
22-75は東海道・山陽新幹線0系の先頭車で、子供達に人気

青梅鉄道公園には東海道・山陽新幹線0系の先頭車22-75も保存されています。国鉄時代の1985年3月に、引退した22-75を搬入しました。JR東日本発足後、青色の部分を東北・上越新幹線と同じ緑色に塗り替えられたことがあり、現在は青に戻していますが、塗り分けラインが200系と同じになっています。

なお、首都圏で保存されている0系はこの22-75と大宮の鉄道博物館で保存されている21-2と21-25(カットボディ)の3両だけです。

青梅線で活躍したことがある旧型国電のクモハ40054
青梅線で活躍したことがある旧型国電のクモハ40054

2007年5月にC51形5号機を鉄道博物館に移設し、その代わりにクモハ40054を搬入、展示されています。クモハ40形はモハ40系の両運転台形制御電動車です。クモハ40054もかつて青梅線で運用したことがあります。現存するクモハ40形は、この054と鉄道博物館の074の2両だけ。なお、製造時期の関係で054は平妻車体、074は丸妻車体と外観が異なります。

●青梅鉄道公園リニューアルの概要

JR東日本のプレスリリースでは、リニューアルのコンセプトを「中央線・青梅線の鉄道の歴史を伝える学びの場」としています。また、開園時に建てられた記念館の建て替えと展示物・展示車両の見直し、追加などを検討しているそうです。

豊田車両センターで保存されているクハ201-1。時折撮影会が催されています
豊田車両センターで保存されているクハ201-1。時折撮影会が催されています

青梅鉄道公園の追加車両については、1年前の2022年5月27日付けの交通新聞に「3両ほど追加する予定があると聞いている」という副所長のコメントが掲載されていて、具体例として201系クハ201-1が挙げられていました。201系は国鉄が省エネ電車として開発した通勤形電車。最初に投入したのは中央快速線でした。現在もクハ201-1は豊田車両センターで保管されています。

189系N102編成は現在も長野総合車両センターに現存しています
189系N102編成は現在も長野総合車両センターに現存しています

中央本線を代表する列車と言えば、特急「あずさ」。「あずさ」に使用されていた189系特急形電車が、引退後も長野総合車両センターに保管されています。もしかすると、この189系を国鉄時代の塗装に塗り戻して青梅鉄道公園に搬入されるかもしれません。

EF64形1001号機は現在ぐんま車両センターに配置されています
EF64形1001号機は現在ぐんま車両センターに配置されています

中央線・青梅線に縁のある電気機関車と言えば、EF64形も考えられます。JR東日本には現在EF64形1000番代が6両在籍していますが、このうちトップナンバーの1001号機なら保存される可能性があるかもしれません。

青梅鉄道公園は、2023年9月1日(金)から2025年度末まで休園してリニューアル工事を実施する予定。リニューアルの内容や時期などの詳細は改めて発表するそうです。

青梅鉄道公園がどのように生まれ変わるのか楽しみですが、リニューアル前ののんびりした雰囲気も、ぜひ楽しむことをオススメします。ゴールデンウィークにいかがですか?

(ぬまっち)

この記事の著者

ぬまっち(松沼 猛) 近影

ぬまっち(松沼 猛)

1968年生まれ1993~2013年まで三栄書房に在籍し、自動車誌、二輪誌、モータースポーツ誌、鉄道誌に関わる。2013年に独立。現在は編集プロダクション、ATCの代表取締役。子ども向け鉄道誌鉄おも!の編集長を務める傍ら、自動車誌、バイク誌、鉄道誌、WEB媒体に寄稿している。
過去に編集長を務めた雑誌はレーシングオン、WRCプラス、No.1カーガイド、鉄道のテクノロジー、レイル・マガジン。4駆ターボをこよなく愛し、ランエボII、ランエボVを乗り継いで、現在はBL5レガシィB4 GTスペックB(走行18万km!)で各地に出没しています。
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