トヨタがバッテリーEVの「bZ Sport Crossover Concept」「bZ FlexSpace Concept」を世界初公開【上海モーターショー2023】

■Z世代向けの「bZ Sport Crossover Concept」、ファミリー層向けの「bZ FlexSpace Concept」を設定

佐藤新体制に移行したトヨタは、2026年までに10モデルのバッテリーEV(BEV)を投入し、年間150万台販売する計画を発表したばかりです。

早速、BEV戦略を担うコンセプトカーの「bZ Sport Crossover Concept」「bZ FlexSpace Concept」が、2023年4月18日に開幕した上海国際モーターショーでワールドプレミアされました。

「bZ Sport Crossover Concept」と「bZ FlexSpace Concept」を上海モーターショーで世界初公開
「bZ Sport Crossover Concept」と「bZ FlexSpace Concept」を上海モーターショーで世界初公開

トヨタ最新の「ハンマーヘッド」と呼ばれるフロントマスクを備え、コンセプトカーらしいスタイリッシュでアクティブなエクステリアが目を惹きます。インテリアもコンセプトモデルらしい未来感にあふれる仕立てになっていて、今後の市販車にどの程度フィードバックされるかも気になります。

「bZ」の車名からも分かるように、同コンセプトカーはBEV専用ブランドである「TOYOTA bZ」シリーズとして開発が進められていて、先述したように、トヨタが2026年までに発売予定のBEV10モデルのうちの2モデルとして、2024年に中国に導入されます。

BEV専用プラットフォームをベースとする「TOYOTA bZ」シリーズには、4つの目標が込められています。

1つ目が「You & Others:ヒトとヒト」と題し、快適な移動空間に加えて、大切な家族や仲間と過ごすかけがえのない時間と新しいライフスタイルを提供すること。

2つ目が「You & Your Car:ヒトとクルマ」で、BEVならではの運転の楽しさ、可能性を期待させるワクワク感をもたらすこと。

3つ目が「You & the Environment:ヒトと地球」で、CO2排出量などマイナスを減らすだけではなく、プラスを生み出す存在になることが込められています。

そして4つ目が「You & Society:ヒトと社会」。安心、安全な社会づくりへの貢献となっています。

「bZ Sport Crossover Concept」のサイドビュー
「bZ Sport Crossover Concept」のサイドビュー

今回、お披露目された1台目の「bZ Sport Crossover Concept」は、トヨタと、トヨタと比亜迪股份が合弁で設立したBYD TOYOTA EV TECHNOLOGY カンパニー(BTET)、一汽トヨタ自動車(一汽トヨタ)、中国の豊田汽車研究開発センター(TMEC)が共同開発。アクティブで個性的なスタイリングが目を惹くクロスオーバータイプで、一汽トヨタより生産、販売する予定になっています。

「bZ Sport Crossover Concept」のインパネ
「bZ Sport Crossover Concept」のインパネ

「ドライブを楽しむ際やクルマで気分転換したい」という想いが込められた「Reboot」をコンセプトに掲げ、開発されています。

アクティブでアイコニックなスタイルとすることで、Z世代(1990年代後半から2010年代前半に生まれた世代)と呼ばれる若い層に向けて、パーソナルな空間として使える機能を追求。ドライバー支援機能や自動駐車などの最新技術も含めて、購入後もクルマ全体が進化することで、オーナーの所有満足度を高める狙いも込められた開発が推進されているそうです。

「bZ FlexSpace Concept」のサイドビュー
「bZ FlexSpace Concept」のサイドビュー

もう1台の「bZ FlexSpace Concept」は、トヨタと広州汽車集団(GAC)、広汽トヨタ自動車(広汽トヨタ)、中国のTMEC(Toyota Motor Engineering & Manufacturing)が共同開発している実用性重視のSUVで、ファミリー層をターゲットに据えています。広汽トヨタが生産、販売を担う予定。

家族が安心で、快適に自由に使える「COZY HOME」というコンセプトのもと、広いキャビンやラゲッジなどにより、使いやすく、高い安全性も目標として掲げられています。

「bZ FlexSpace Concept」のインパネ
「bZ FlexSpace Concept」のインパネ

BEVとして安心できる航続距離も実現させたうえで、知能化の機能も搭載。家族、友人やカップルなどがカーライフを楽しめるようなモデルを目指し、開発が進められています。

2台共に世界的にブームになっているSUVタイプ。SUVは、床下に大容量バッテリーを搭載しやすいパッケージを構築しやすく、価格面でも付加価値として上乗せしやすい利点もあります。

さらに、SUVに限りませんが、「Over The Air(OTA)」などを使い、購入後も進化させることで、アップデートさせることでの課金なども狙えるようになっています。

(塚田 勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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