沿線自治体が廃止に合意した、根室本線・富良野〜新得間ってどんな路線?

■2016年の災害で分断

JR北海道は2023年3月30日に、根室本線・富良野〜新得間を2024年3月に廃止、バス転換することの覚え書きを、沿線の富良野市・南富良野町・占冠村・新得町の4自治体と締結しました。

廃止が決まった根室本線布部〜山部間を走る普通列車
廃止が決まった根室本線布部〜山部間を走る普通列車

根室本線は滝川〜根室間443.8kmの路線で、当初は函館(道南エリア)・札幌(道央エリア)と道東エリアを結ぶメインルートでした。

しかし、1981年10月に道央と道東をショートカットして、千歳空港(現・南千歳)〜新得間(根室本線との分岐点は上落合信号場)を結ぶ石勝線が開業。優等列車や貨物列車のメインルートは石勝線経由となり、根室本線・滝川〜新得間はローカル線に転落しました。

根室本線は2016年8月に発生した台風10号で被災して、富良野〜音別間が不通となりました。特に被害が甚大だった東鹿越〜新得(実際には上落合信号場)間は、現在も運休しています。

根室本線の廃止予定区間(ⒸGoogle)
根室本線の廃止予定区間(ⒸGoogle)

復旧工事に着手しなかったのは、JR北海道が2016年11月に発表した輸送密度200人未満で、単独での維持が困難な路線に、この区間が含まれていたからです。

台風で被災後は東鹿越駅が滝川側の終点となっています
台風で被災後は東鹿越駅が滝川側の終点となっています
東鹿越駅から先は線路に雑草が生えています
東鹿越駅から先は線路に雑草が生えています

運休区間にある幾寅駅は、1999年に公開された高倉健主演の映画「鉄道員(ぽっぽや)」のロケ地となった駅です。作品中では幌舞線幌舞駅という設定でした。

映画の舞台となった幾寅駅。駅舎は撮影当時の幌舞駅となっています
映画の舞台となった幾寅駅。駅舎は撮影当時の幌舞駅となっています
幾寅駅の駅舎内は「鉄道員(ぽっぽや)」の資料室となっています
幾寅駅の駅舎内は「鉄道員(ぽっぽや)」の資料室となっています
幾寅駅のホームは運休しているとは思えないほどきれいです
幾寅駅のホームは運休しているとは思えないほどきれいです


幾寅の駅前には、映画のセットがそのまま保存されているほか、映画の撮影用に国鉄キハ12形風に改造したキハ40形の一部も保存されています。

幾寅駅前に保存されているキハ40形は国鉄キハ12形をイメージしたレトロなデザインに改造していました
幾寅駅前に保存されているキハ40形は国鉄キハ12形をイメージしたレトロなデザインに改造していました

落合駅は台風による土砂流入により、駅構内に草花が生えて、まるで異世界のような不思議な光景となっていて、SNSなどでも話題になりました。

草花に埋もれた落合駅は、とても不思議な光景となっています
草花に埋もれた落合駅は、とても不思議な光景となっています

2024年春以降、根室本線は滝川〜富良野間と新得〜根室間に分断され、滝川から根室に行けない路線となります。

現在、富良野〜東鹿越間には下り4本、上り5本の列車が走っていますが、日中は6〜7時間、列車が走らない時間があるので、乗るのはなかなか大変かもしれません。

なお、人気の落合駅は道東自動車道トマムICから15分ほどの場所にあるので、北海道ドライブの際にはぜひ立ち寄ってみるといいかもしれません。

(ぬまっち)

この記事の著者

ぬまっち(松沼 猛) 近影

ぬまっち(松沼 猛)

1968年生まれ1993~2013年まで三栄書房に在籍し、自動車誌、二輪誌、モータースポーツ誌、鉄道誌に関わる。2013年に独立。現在は編集プロダクション、ATCの代表取締役。子ども向け鉄道誌鉄おも!の編集長を務める傍ら、自動車誌、バイク誌、鉄道誌、WEB媒体に寄稿している。
過去に編集長を務めた雑誌はレーシングオン、WRCプラス、No.1カーガイド、鉄道のテクノロジー、レイル・マガジン。4駆ターボをこよなく愛し、ランエボII、ランエボVを乗り継いで、現在はBL5レガシィB4 GTスペックB(走行18万km!)で各地に出没しています。
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