三菱「トライトン」フルモデルチェンジ秒読み!グローバルでもっとも売れているクルマ

■XRTコンセプトの名で登場した新型トライトン

バンコク国際モーターショーでアンベールされた、ミツビシXRTコンセプト
バンコク国際モーターショーでアンベールされた、ミツビシXRTコンセプト

三菱自動車は、タイと非常に密接な関係を持っています。そんな三菱自動車は2023年3月21日(火)に、タイ王国ノンタブリー県にあるインパクト・エキシビションセンターで開催された、第44回バンコク国際モーターショー2023で1台のコンセプトカーを参考出品しました。

水平基調のラインが、安定感のあるスタイルを実現している
水平基調のラインが、安定感のあるスタイルを実現している

「ミツビシXRTコンセプト」と名付けられたこのモデルは、かなりスポーティな偽装が施されていますが、どこからどうみてもピックアップトラックのトライトンそのものです。

現行トライトンは2014年のデビューで、そろそろフルモデルチェンジが噂されていたので、このタイミングでコンセプトカーができたのは必然でしょう。

というかです。プレスリリースをしっかり読んでみると「新型トライトンのコンセプトカー」と書かれています。取材者が探りを入れるまでもなく、トライトンであることは明白でした(汗)。

●コンセプトカーながら、ほぼ市販車状態だったXRTコンセプト

ぐっと張り出したオーバーフェンダーが力強い
ぐっと張り出したオーバーフェンダーが力強い

「ミツビシXRTコンセプト」はコンセプトカーということで、詳しいスペックは未発表ですが、真横からクルマを見るとボンネット、ルーフ、ウエストラインが水平に配置され、前後フェンダーはググッと張り出したオーバーフェンダーを採用し、かなりマッシブな印象。タイヤはヘビーデューティなマッドテレインが装着されています。

光の当たり方で色が変わるラッピングを採用した外装。ラリーアートを象徴する10本のラインもあしらわれている
光の当たり方で色が変わるラッピングを採用した外装。ラリーアートを象徴する10本のラインもあしらわれている

カモフラージュパターンは、ボディ全体に吹き出す溶岩のイメージだということで、派手なものとなっていますが、トライトンのイメージにはぴったりです。ボディサイドにはラリーアートのブランドアイコンがあしらわれて、よりスポーティな印象を高めています。

プレスカンファレンスでスピーチする加藤隆雄社長
プレスカンファレンスでスピーチする加藤隆雄社長

プレスカンファレンスには、日本から代表取締役社長・加藤隆雄氏が出席、スピーチを行いました。スピーチのなかで加藤氏はこう語りました。

「ピックアップトラックは、働くクルマとして、荷物を目的地まで確実に運ぶ、毎日の仕事を確実にこなすための、高い信頼性と走破性が求められます。

一方で、プライベートを楽しむクルマとして、運転のしやすさや乗り心地の良さ、アウトドアレジャーを満喫できる使い勝手、どんな天候や路面でも、自信をもって運転できる頼もしさや安心感が求められます。

これらの公私にわたるハイレベルな要求を満たすため、厳しい基準の社内試験はもとより、世界中のあらゆる環境での走行試験を実施しています。

ラリーマシンを模したモデルとなっていたので、スペアタイヤキャリアが装着された荷台
ラリーマシンを模したモデルとなっていたので、スペアタイヤキャリアが装着された荷台

また、長年にわたるダカールラリーなどを通じて得たノウハウを市販車の開発に活かし、操縦安定性や悪路走破性といった三菱自動車の強みを磨き上げ、どんな天候や路面でも安心して楽しめる走りを実現してきました」。

斜めに切り上げたリヤオーバーハングは、高いデパーチャーアングルを象徴している
斜めに切り上げたリヤオーバーハングは、高いデパーチャーアングルを象徴している

新型トライトンの詳細なスペックはまだ明らかにされていませんが、今まで以上の高い走破性を持たせたモデルに仕上がっていることは間違いないでしょう。

2022のアジアクロスカントリーラリー優勝車である現行トライトンも展示された
2022のアジアクロスカントリーラリー優勝車である現行トライトンも展示された

三菱自動車は、2022年のアジアクロスカントリーラリーに現行トライトンで参戦。三菱自動車として7年ぶりのモータスポーツ参戦、そしてラリーアートのモータスポーツ復帰となったこのイベントで、見事総合優勝を果たしました。

Q&Aセッションは、三菱自動車工業の加藤隆雄社長(左)と、三菱自動車タイランドの小糸栄偉知社長(右)が出席した
Q&Aセッションは、三菱自動車工業の加藤隆雄社長(左)と、三菱自動車タイランドの小糸栄偉知社長(右)が出席した

加藤社長は2023年のアジアクロスカントリーラリーには、新型トライトンでのレースを表明。二連覇を目指して準備を進めていることも明らかにしました。

また、プレスカンファレンス後のQ&Aセッションでは、2023年7月に新型トライトンを正式に発表にするとの発言もありました。

(諸星 陽一)

この記事の著者

諸星陽一 近影

諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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