■台湾新幹線にJR東海のN700Sを12両編成12本導入
台湾新幹線を走らせている台湾高鐵(台湾高速鐵路)が3月15日の取締役会で、JR東海が開発したN700S12両編成12本を1240億円で購入することを決めました。
台湾新幹線は2007年5月1日に開業。台北の南港駅から高雄の左営駅までの345kmを、最高速度300km/h・1時間30分で結んでいます。
開業時に導入した車両は、東海道・山陽新幹線700系をベースとしてJR東海・JR西日本が共同開発した700T型ですが、最高速度300km/h運転や急勾配に対応してモーターの出力を増強したほか、先頭部形状をアレンジするなど、台湾新幹線に合わせた仕様となっています。700T型は2004〜2005年に12両編成30本を導入。2012年に4本を増備しました。
台湾高鐵は旅客需要が伸びたことを受けて、2019年2月に新車を購入するための入札を世界に呼びかけました。
入札に応じたのは、日立製作所と東芝を中心とした日本企業連合だけでしたが、入札額が東海道・山陽新幹線用N700Sの約60億円を上回る約108億円以上と高額だったため、2021年1月には日本連合との交渉を一旦打ち切っています。
東海道・山陽新幹線仕様よりも価格が高額になったのは、台湾新幹線向けの仕様とするための設計変更点が多かったのだと推測されます。
N700SはJR東海が東海道・山陽新幹線用に開発すると同時に、国内他社への供給や海外への輸出を視野に入れた設計をしています。
JR東海と共に東海道・山陽新幹線を運行するJR西日本は、同一仕様のN700S3000番代を導入。JR九州は西九州新幹線向けに6両編成のN700S8000番代を導入しました。
台湾新幹線に導入するN700Sが一体どのような外観・内装で登場するのか、非常に興味深いところです。
(ぬまっち)