BMW X1がフルモデルチェンジを受け、バッテリーEVのiX1もラインナップに新設定!! クラス随一の広大なラゲッジも美点

■コンパクトSUVに待望の電気自動車の「iX1」が登場

新型BMW X1とバッテリーEV(BEV)である新型「iX1」が、2023年2月17日に発表・発売されました。デリバリー開始は、同年2月下旬からの予定になっています。

今回、フルモデルチェンジを受けた新型BMW X1、BEVのiX1は、同社のSUV(SAV)シリーズの末弟で、「プレミアムスモールコンパクトセグメント」を謳う唯一のSAVです。

新型BMW X1、iX1の販売を開始
新型BMW X1、iX1の販売を開始

プレス発表会でBMWブランド・マネジメント・ディビジョン本部長の遠藤克之輔氏は、新型X1、iX1のターゲットについて、女性やヤングファミリーなどをメインに据えていると説明。

iX1のリヤビュー
iX1のリヤビュー

現在、BMW Xモデルは8モデルあり、初代X5以来、SUVセグメントをリードしてきただけでなく、「SAV(スポーツ アクティビティ ビークル)」を名乗り、BMWらしい駆け抜ける喜びを提供することで、同ブランドを支えるシリーズになっています。

iX1のインテリア
iX1のインテリア

なお、2022年の日本におけるBMWブランドの販売台数は約3万台とのことですが、そのうち約1/3をXシリーズが占めたそうで、そのボリュームの大きさがうかがえます。

新型X1、iX1は、エントリーモデルでありながらも垂直で押し出し感のあるキドニーグリルなどにより、存在感は高く、Xシリーズを販売面で牽引する新型としての役割を担うことになります。

●先代よりもボディサイズを拡大しながら、取り回しや駐車場などの利用にも配慮

iX3のリヤまわり
iX3のリヤまわり

新型X1、iX1のボディサイズは、全長4500×全幅1835×全高1625mm、ホイールベース2690mm。先代は、全長4455×全幅1820×全高1610mm、ホイールベースは2670mmでしたので、45mm長く、15mmワイドになり、15mm高くなっています。

ホイールベースも20mm延びていて、ボリューム感は着実に増している一方で、幅1.8m制限の立体駐車場にも対応するなど、狭い都市部での取り回しにも配慮されています。

クラスを超えたラゲッジ容量も自慢
クラスを超えたラゲッジ容量も自慢

使い勝手の面では、X1の荷室容量540L-1600Lという広大なラゲッジスペースが印象的。ボディサイズが、ふたまわりほど大きいBMW X4が500L-1400Lですから、新型X1は通常時はもちろん、最大時はクラスを超えた荷室容量を確保していて、キャンプなどのアウトドアなどでも重宝しそうです。

ちょっと座っただけですが、後席はリクライニングと130mmの前後スライドが可能で、定評のあった先代をさらに上回る広さを手に入れている印象。

●BEVのiX1の航続距離は465km

iX1のインパネ
iX1のインパネ

また、同クラス初のBEVであるiX1(BMW iX1 xDrive30)は、同ブランドのEVを販売面で牽引する存在になるのは間違いないでしょう。

iX1(BMW iX1 xDrive30)は、最高出力190PS(140kW)・最大トルク247Nmを発揮するモーターを前後に配した4輪駆動モデルで、システムトータルの最高出力は200kW(271PS)・最大トルクは494Nmに達します。0-100km/h加速は、5.6秒でクリアする俊足ぶり。

トグルスイッチ式シフトを採用する
トグルスイッチ式シフトを採用する

ボディ床下に配置されるリチウムイオンバッテリーの容量は66.5kWh。一充電あたりの走行距離は465kmになっています。

気になる充電は、最新の充電技術の採用により自宅で8kWの「BMWウォール・ボックス(200V/32A)」を使えば約6時間半で10%から80%まで充電が完了します。急速充電(CHAdeMO)では、現在主流の90kW充電器を利用すると、約50分で10%の状態から約80%までの充電が完了。また、約30分で10%の状態から55%まで充電することができ、200km程度の走行が可能になります。

「M Sport」のフロントシート
「M Sport」のフロントシート

なお、充電に関しては、新型iX1の発表と同時にアナウンスされた「電気自動車専用リース・パッケージ」の開始もトピックス。

充電費用も含まれた月額リース料の例として、4年契約で年間規定距離数6000kmを選択すると、充電費用(自宅や勤務先などでの充電は除く)、メインテナンス、車検サポートなどがすべて込みで5万7700円(税込)となるリースプラン。

対象は新型iX1で、月額費用は契約年数(3、4、5年契約が可能)、年間規定距離数(6000km、9000km、1万8000kmから選択可能)などに応じて異なります。今後、対象モデルが順次拡充される見込みです。

「M Sport」のリヤシート
「M Sport」のリヤシート

一方の新型X1(BMW X1 xDrive20i)には、2.0L直列4気筒ガソリンターボエンジンが搭載され、最高出力150kW(204PS)/5000rpm・最大トルク300Nm/1450-4500rpmを発揮。組み合わされるのは7速ダブルクラッチトランスミッションで、エアロダイナミクスの最適化などにより、WLTCモード燃費12.9km/Lを達成しています。

●押し出し感を増したフロントマスクとフラッシュハンドルが印象的

デザインをチェックします。先代よりも少しずつ大きくなった新型X1。BMWお馴染みのキドニーグリルは、四角い形状に近い、角度が垂直基調であるため、押し出し感に寄与しています。

先進性をアピールしているのが、アダプティブLEDヘッドライトで、リヤには、ワイドで力強さを強調する水平方向のキャラクターライン、立体的なLEDテールランプが配されています。サイドビューでは、ドアハンドルをドアパネルと一体化させた流行のフラッシュハンドルの採用が特徴で、空力性能の向上にも寄与。Cd値0.26というクラストップレベルの数値を誇ります。

「xLine」と「M Sport」を設定する
「xLine」と「M Sport」を設定する

内装は、メーターパネルとコントロールディスプレイを一体化させ、さらに運転席側に傾けることで視認性を高めた最新のデザイン・設計になっています。タッチ操作により操作性が向上された「BMWカーブドディスプレイ」を採用。さらに、シフトレバーが廃止され、センターアームレストに操作系を集中させることで、すっきりしたモダンな仕立てになっています。

新型BMW X1、iX1のグレード構成は、モダンさとエレガントさを合わせ持った「xLine」、スポーティな「M Sport」で、BMWの最近の流儀に則り、同じ価格設定になっています。

●プレス発表会に滝沢眞規子さん、井浦 新さん、島袋聖南さん&石倉ノアさん夫妻が登場

左からモデルの滝沢眞規子さん、俳優の井浦 新さん、右側が島袋聖南さん&石倉ノアさん夫妻
左からモデルの滝沢眞規子さん、俳優の井浦 新さん、右側が島袋聖南さん&石倉ノアさん夫妻

プレス発表会のゲストでトークを繰り広げた俳優の井浦 新さんは、ロングドライブにも度々出かけるというクルマ好きだそうで、初めて試乗したEVがこのiX1だったそうです。

「X」を象ったようなフロントマスクをはじめ、ボディサイドのキャラクターラインも「X」を描くなど、リヤまわりも車内も含めて「X」をモチーフとしたデザイン性の高さにまず感心したとのこと。さらに、インテリアの見どころである「カーブドディスプレイ」が、わずかにドライバー側に向けられている点など、操作性に配慮した内装にも言及していました。

また、初めてのEVでも運転しやすく感じたそうで、ドライブモードで走りの設定を変更できる点にも感動したと振り返っていました。

一番左がBMWブランド・マネジメント・ディビジョン本部長の遠藤 克之輔氏
一番左がBMWブランド・マネジメント・ディビジョン本部長の遠藤 克之輔氏

同じくトークセッションに登場したモデルの滝沢眞規子さんも18歳で免許を取り、毎日のように乗るというクルマ好きとのこと。クルマを選ぶ際は、デザインやカラーなどを重視していると話します。

新型X1、iX1に試乗したところ、静かで滑らかな走り、シフトレバーが廃された(トグルスイッチ化)インパネやカーブドディスプレイの視認性と操作性の高さに驚いたそうです。「いまではスマホを置けるワイヤレス充電は当たり前なのですか?」という逆質問もしていました。

都内でも乗るのにちょうどいいサイズ感で、家族でも使える広い車内とラゲッジスペースにも感心したようです。滝沢眞規子さんも子どもがいるとのことで、ラゲッジの広さも大切なポイントにあげていました。

「M Sport」のアルミホイール
「M Sport」のアルミホイール

小さな子どもがいるタレントの島袋聖南さん&石倉ノアさん夫妻は、iX1の静かな車内が印象に残ったそう。島袋さんは、子どもを抱っこしていてもテールゲート下のキック動作で開閉できるオートマチック・テールゲート・オペレーション(オープン/クローズ)の利便性の高さ、ベビーカーなども積めるラゲッジスペースの広さについても印象に残ったと振り返っています。

石倉ノアさんも大のクルマ好きだそうで、EVならではの操作性や走りの良さに触れ、スマホ・アプリで事前にエアコンの作動などができる点なども小さな子どもがいるので快適そうと語っていました。

iX1のロゴエンブレム
iX1のロゴエンブレム

●ボディサイズ:全長4500×全幅1835×全高1625mm、ホイールベース2690mm

●価格
「BMW X1 xDrive20i xLine」:556万円
「BMW X1 xDrive20i M Sport」:556万円
「BMW iX1 xDrive30 xLine」:668万円
「BMW iX1 xDrive30 M Sport」:668万円

(文・写真:塚田 勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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