目次
■首都高のとあるPAに出現した「辰巳ジャンプ台」を知っているか?
●本線合流のための加速場所にこんなの作ってどーすんだ?
『辰己ジャンプ』を御存知だろうか?
首都高湾岸線を大井方面から来て箱崎に向かう9号線のJCTの途中にある、小さいPAを出た合流車線にある、写真のような構造物である。
作った目的は「速度を落とすため」。
考えてみたら、合流車線は速やかに加速し、本線との速度差を無くして安全を確保するためのもの。その途中に速度を落とすためのバンプ(広義の凸凹)を作ってどうする、ということですが。
写真を見れば解る通り、10cmくらいの高さがある。「高速道路」の加速車線にこんなバンプを設置したケース、世界的に見て知らない。当然ながら加速しながら通過しますから。おそらく! 最初に誰かが加速しながら、それなりの速度で通過しちゃったんだと思う。
するとどうよ! なかなか良い傾斜(もっとキツいと衝撃がくるのみ)ということもあり「ほとんどジャンプ!」したことは想像に難くない。
消極的な人なら「ビビッたぁ!」ということになるけれど、ジェットコースター好きだと「なんだ? 凄く楽しいぞ!」
●ルーレット族に遊び道具をプレゼント?
首都高をグルグル回ることを遊びとするルーレット族からすれば、周回コースの一部。確認するため一周してさらに速い速度で「じゃ~んぷ!」。辰己ジャンクションのPAは、ルーレット族にとってトイレや定期的な毒ガスを喫する休憩場所だからして、見ていた同志も「すげぇ! オレも!」になって不思議じゃ無い。
たちまちルーレット族の多くが知ることになり、辰己ジャンプを果敢に攻める同志の動画など撮ってYouTubeやTwitter、TikTokなどでアップされるように。
ちなみに、辰己出口にジャンプ台が作られる前は「辰己ダッシュ」で有名だった。ここの出口、最終的に本線へ合流するのだけれど、しばらく専用車線。したがって全開ダッシュしても他の車両と干渉しない。ということで、チューニングカーが全開サウンドを楽しんでいた。
100歩譲って40km/hまでならPA内のフル加速は合法。本線に入れば本線の制限速度までのフル加速も合法。それ以上出したら完全な速度違反ですが。そいつを防ぐため、当局はさらに楽しい「遊具」を作っちゃったということです。
ルーレット族だって自分のクルマは大事。危険なチャレンジなら気軽にやらないだろうけれど、前述の通り辰己PA出口は直線。リスクを感じることなくジャンプを楽しめるから困ったもの。
ここでSNSの画像をリンクすると、「遊び」を助長することになるからやらないが、全開で行くと10mくらいジャンプする。空荷のトラックまでジャンプしちゃってる。完全な逆効果。
1月下旬から業界で話題になり、2月に入ると大手メディアも取り上げ始めた。警察としちゃ「遊び場所を自分で作っちゃった! マズイ!」と思ったのだろう。週末の夜間はパトカーを巡回させるなどしているが、居なくなれば「ひゃっほ~!」だ。
取材は大騒ぎになっている2月16日の午後。何の規制も掛かっていないため、飛び放題です。そもそも人手不足の折、見張りを置くような遊具を作るなんて愚かなこと。なぜか当該区間には制限速度表示が無いけれど、基本的に40km/h制限区間。ジャンプ台を撤去し、出口に自動取り締まり器を置けばいいだけ。ただ警察も作ってすぐ撤去だと、自らの失策を認めることになる。つまらんプライドが邪魔してますね、きっと。
ということで次なる対策を、いつどんなカタチで行うかワクワクする。もちろん、当然ながら、こんなこと書くのもナンセンスだけれど、ジャンプするのは危険行為なので絶対に止めること!
(国沢 光宏)
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