■「青春18きっぷ」は1日あたり2410円で乗り放題!
JRグループは、2023年の春季・夏季・冬季に「青春18きっぷ」を発売することを発表しました。
青春18きっぷは、JR全線の普通列車・快速列車、BRT路線とJR西日本宮島フェリーが乗り放題となるフリーきっぷです。きっぷの呼び名にある18は青春を象徴する年齢18歳が由来ですが、購入できる年齢制限はなく誰でも利用することができます。
青春18きっぷは1枚5回分1万2050円で発売。1回分の料金は2410円、有効期間は1日です。
JR東日本・JR東海・JR西日本の運賃表に当てはめて見ると、2410円で移動できる距離は140kmなので、元を取るのは簡単。青春18きっぷはとてもお得なのです。また、1人で5回分利用する以外にも、同一行程なら最大5人グループでの利用もできるなど、いろいろな使い方ができます。
とてもお得なきっぷなので、青春18キッパーと呼ばれる熱烈な青春18きっぷファンもたくさんいます。
青春18きっぷの春季の発売期間は、2023年2月20日〜3月31日、利用期間は3月1日〜4月10日。夏季の発売・利用期間は7月1日〜8月31日・7月20日〜9月10日。冬季の発売・利用期間は12月1日〜12月31日・12月10日〜1月10日となっています。
●初めての青春18きっぷでの注意点
青春18きっぷに初挑戦してみたい人に、注意点をお話ししたいと思います。
青春18きっぷの大原則はあくまでも普通列車・快速列車用の乗車券。特急・急行列車・新幹線に乗車する場合は、その区間の乗車券を別に買わないといけません。
ただし、普通列車が走っていない石勝線・新夕張〜新得間や、乗車券だけで特急・急行列車に乗ることができる特例区間となっている奥羽本線・新青森〜青森間、佐世保線・早岐〜佐世保間と、日豊本線、日南線、宮崎空港線・宮崎〜宮崎空港間については、特急・急行列車に乗車することができます。
青函トンネル区間を含めた北海道新幹線・奥津軽いまべつ〜木古内間については、青春18きっぷ北海道新幹線オプション券(1回2490円)を併用することで、北海道新幹線の普通車を利用することができます。津軽いまべつ以南は、津軽線・青森〜津軽二股(奥津軽いまべつに隣接)間を利用。木古内以東は、北海道新幹線オプション券を併用すれば、第三セクターの道南いさりび鉄道に乗車することができます。
道南いさりび鉄道は、北海道新幹線の並行在来線だった江差線をJRから経営分離した第三セクター路線です。
同様な経緯で誕生した第三セクター路線として、東北本線・盛岡〜目時間を分離したIGRいわて銀河鉄道、目時〜青森間を分離した青い森鉄道、信越本線・軽井沢〜篠ノ井間、長野〜妙高高原間を分離したしなの鉄道、妙高高原〜直江津間を分離したえちごトキめき鉄道妙高はねうまライン、北陸本線・金沢〜倶利伽羅間を分離したIRいしかわ鉄道、倶利伽羅〜市振間を分離したあいの風とやま鉄道、市振〜直江津間を分離したえちごトキめき鉄道日本海ひすいライン、鹿児島本線・八代〜川内間を分離した肥薩おれんじ鉄道があり、いずれも青春18きっぷで乗り通すことはできません。
これらの路線は青春18きっぷ旅行の主要ルートだったのですが、第三セクター化によって大きく迂回することを余儀なくされています。
ただし、他のJR在来線と接していない孤立路線へ移動の便を図るために、第三セクターを通過できる特例があります。青い森鉄道は八戸線が発着する八戸駅、大湊線が発着する野辺地駅と青森駅の間を通過利用することができます。
IRいしかわ鉄道は、金沢駅と七尾線が発着する津幡駅の間を通過利用することが可能。あいの風とやま鉄道は、城端線・氷見線を発着する高岡駅と富山駅の間で通過利用ができます。
これはあくまでも孤立したJR路線に対する特例で、乗降できるのはJR在来線と接続する駅だけです。しかし、上手く活用すれば青春18きっぷで移動できる範囲を拡げることができます。
青春18きっぷの魅力は、時間にとらわれずにマイペースな旅行ができること。年配のユーザーには、沿線の観光をしながら行けるところまで行って宿泊するという、行き当たりばったり旅行をする人も多いそうです。
この春は青春18きっぷで新発見の旅をしてみるのもいいかもしれません。
(ぬまっち)