マツダの「自動車用モーター可変界磁技術の開発」が省エネルギー技術開発賞を受賞

■ハイブリッドの燃費を15%向上させることが可能に

●運転条件に応じてモーターの磁界の大きさを可変させる「自動車用モーター可変界磁技術」

2023年2月7日(火)、マツダは、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)主催の2022年度「省エネルギー技術開発賞」で「理事長賞」を受賞したと発表しました。

将来、マツダの電動車両の燃費(電費)向上に寄与される技術が受賞。写真はイメージ
将来、マツダの電動車両の燃費(電費)向上に寄与される技術が受賞。写真はイメージ

NEDOは、経済成長と両立する持続可能な省エネルギーの実現のため、民間企業などから省エネルギーに寄与する技術開発テーマを公募。2012年度から2024年度まで、開発費の一部を助成する「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」を実施しています。

「省エネルギー技術開発賞」は、省エネルギーに寄与する優れた成果をあげた事業者が対象で、このほどマツダが受賞した「理事長賞」は、最優良事業者に授与されます。

MX-30のプラグインハイブリッド。写真はイメージで、同記事とは関係ありません
MX-30のプラグインハイブリッド。写真はイメージで、同記事とは関係ありません

マツダが受賞した2022年度「NEDO省エネルギー技術開発賞」理事長賞は、「自動車用モーター可変界磁技術の開発」。従来は一定であった界磁(磁石磁力)の大きさを運転条件に応じて変化させ、運転条件に適したモーター性能を確保することで、モーターの発電量向上を実現したという、画期的な技術です。

同技術の導入で、モーター実用域の効率改善、減速エネルギー回生量の増加が可能になり、高効率な内燃機関との組み合わせで、従来のモーターを用いたハイブリッド車に対して15%の燃費向上(WLTCモード燃料消費率)を見込んでいるそう。

今後は、プラグインハイブリッド車やEV(電気自動車)にも同該技術を適用することにより、モーター駆動の走行距離を延長させることも可能になるそう。さらに、使用エネルギーの効率を改善することで、環境負荷低減も図られることになります。

具体的にどのモデルから採用されるかは、現時点で明らかにされていませんが、マツダから、より高効率なハイブリッド車、プラグインハイブリッドモデル、BEVが登場することが期待されます。

(塚田 勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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