スバルブランドを築いた「レガシィ」デビュー。水平対向エンジンと4WDを武器にWRCでも活躍【今日は何の日?2月1日】

■空前の4WDステーションワゴンブームをけん引した大ヒットモデル

1989(平成元)年2月1日、スバルから「レオーネ」の後継として「レガシィ」がデビューしました。低重心の水平対向エンジンと4WDを組み合わせたレガシィは、ステーションワゴンという新しいジャンルを開拓して大ヒット、さらにWRCでも活躍して、スバルブランドを築き上げました。

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1989年にデビューしたレジェンドセダン

●世界初の4WD乗用車を世に出したレオーネ

1971年、レガシィの先代にあたるクーペスタイルの「レオーネ1400」がデビュー。流麗なロングノーズに質感に満ちたサイドライン、サッシュレスのドアなど斬新なフォルムを採用して、スバルのそれまでのイメージを刷新しました。パワートレインは、1.4L水平対向4気筒OHVエンジンと4速MTの組み合わせ、駆動方式はFFでした。

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1971年にデビューした レオーネ

好評を得たレオーネは、翌年1972年には国産初のフルオープンサッシュドアを採用した4ドアセダンと2ドアセダン、スーパーツーリングなどを追加。そして1972年8月には、世界初のジープタイプでない量産4WDを搭載した商用車「エステートバン」、さらに1975年には、その後のスバルの象徴となる世界初の量産4WD乗用車、レオーネ4WDセダンがデビューしました。

車種展開に成功したレオーネは、堅調に販売を伸ばしてスバルを支えるクルマへと成長したのです。

●水平対向エンジンと4WDでスバルブランドを確立したレガシィ

レガシィのトップグレード「レガシィRS」は、デビューの1ヶ月前に米国のアリゾナ州フェニックスのテストコースにおいて、10万km耐久走行で平均速度223.345km/hの世界記録を達成。この世界記録で絶対的な自信をもって、レガシィはデビューを果たしたのです。

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最強グレードのレジェンドRS搭載の2.0L水平対向ターボエンジン

4ドアツーリングセダンと5ドアツーリングワゴンの2タイプをラインアップ。注目の水平対向エンジンは、1.8L SOHC(EJ18型)と2.0L DOHC(EJ20型)、最高出力220PSを誇る最強グレードRS用ターボエンジンの3機種を搭載。トランスミッションは専用ギヤ比の5速MT、駆動方式はビスカスLSD付センターデフ式4WDと、最強のパワートレインと駆動機構を装備しました。

レガシィは市場で高い評価を受け、特にツーリングワゴンはクルマ好きの心を掴んで爆発的な人気を獲得。レガシィは、“ステーションワゴン”という新しいジャンルを開拓し、スバルブランドを築き上げた立役者となりました。

レガシィの大ヒットが起爆剤となって、1990年代には他社からも多くのステーションワゴンが登場し、日本でステーションワゴンの大ブームが起こったのです。

●WRCで優勝し、インプレッサWRXへバトンタッチ

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1993ニュージーランドラリーで優勝したレガシィ

さらにレジェンドの実力を遺憾なく発揮したのが、モータースポーツへの挑戦でした。主導したのは、モータースポーツを統括するスバルの子会社“STI(スバルテクニカルインターナショナル)”で、1989年にはラリーマシンのベースとなる「レガシィRS typeR」がデビューします。

1990年からWRCに本格参戦して、1993年のニュージーランドラリーで待望の初優勝を果たしました。このとき、次期マシンは「インプレッサWRX」に移行することが決まっており、まさに有終の美を飾った形となりました。

後を継いだインプレッサWRXは、1990年代後半から2000年にかけて、その圧倒的な戦闘力で優勝を重ね、WRCでスバルの黄金時代を築いたのです。


約30年間看板モデルとしてスバルを牽引してきたレガシィも、2020年6月に国内の販売を終了しました。北米ではセダンのB4がフルモデルチェンジしましたが、日本での復活はあるのか?いろいろな噂が飛び交っています。これも人気モデルの宿命でしょうか。

毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれません。

Mr.ソラン

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Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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