ヤマハ発動機が最大馬力の船外機 「F450A」を北米市場を皮切りに、ヨーロッパやオーストラリアなどに投入

■トルクとパワー、利便性、快適性がさらに進化

二輪車だけでなく、マリン事業、ロボティクスなど、幅広い事業領域をもつヤマハ発動機。このほど、450馬力の船外機「F450A/FL450A(FL450Aは、プロペラ左回転のカウンターローテーション仕様)」を開発し、2023年春から北米市場で発売すると明らかにしました。

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最大出力を誇る「F450A」が北米市場を皮切りに発売

世界の船外機市場は、主要市場である北米を中心に堅調に推移しています。とくに、北米市場では、ボートユーザーの大型志向が強まり、大型船外機の需要が高まっているそうです。

近年では、スピード性能と燃料経済性、メンテナンス性に優れ、船内スペースが広く確保でき、ボートデザインの自由度を高めることが可能な船外機が人気を集めていて、30フィートを超える大型ボートの推進器として採用されるケースが増えています。また、ボートのサイズや使用目的に合わせ、大型船外機を複数基搭載することで、ボートのパワーや加速性能を高めているケースもあるそう。

このほど発売される「F450A」は、北米の市場動向に応えて開発されたもので、従来の最大馬力モデル「F425A」のパワーを上回るばかりでなく、使い勝手も向上させ、完成度の高い洗練された大型船外機として発売されます。

「F450A/FL450A」は、ヤマハ発動機の船外機ラインナップの中で最大馬力を実現しているのが最大の特色。従来の「F425A」に搭載され、市場から高い評価を得ているV型8気筒、排気量5559ccのエンジンをベースに新設計され、卓越したパワーとトルクを実現。

技術面では、従来の最大馬力モデル「F425A」の技術を継承しながら、スムーズなステアリング操作を提供する内蔵型電動ステアリングが搭載されています。

また、燃料を高精度に各燃焼室に直接噴霧するダイレクトフューエルインジェクション、高負荷運転に対応する高強度のギヤケースやブラケット、カムシャフトなど、プラズマ溶射技術によって成形したスリーブレスシリンダー、イリジウム・スパークプラグを採用。「F425A」と同様の技術も採用され、信頼性、耐久性が担保されています。

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ヤマハ発動機の船外機「F450A/FL450A」

また、新たな充電システムによる優れた電力供給能力を備えているのも美点。発電能力の大幅な向上は、位相角制御コンポーネントが採用された、3相同時充電システムにより、低回転域での発電能力が大幅に引き上げられています。さらに、アイドル時でも最大96アンペアを生成。複数の多様な電子機器を安心して使用できる電力を供給できます。

デザインは、「F425A」の個性的でダイナミックなフォルムを継承しつつ、側面の立体的なクロムエンブレムにより、背面パネルのデザインをブラッシュアップ。これにより、プレミアム船外機にふさわしい高級感と洗練されたデザインに仕立てられています。

さらに、独自の新機能「TotalTilt」によるチルト機構の操作性向上など、使い勝手と快適性も追求。操作開始時、操作中はアラート音が発せられ、安全性を向上。

そのほか、充実のプロペラ・オプションも特徴です。プロペラキャビテーションの影響を解消するため、水をより長く保持できるように特別に設計されたブレードを持つプロペラが新規設定されています。

この「F450A/FL450A」は、北米市場での発売以降、欧州やオーストラリアなどの主要市場で順次発売される予定になっています。

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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