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■クロカンファンも納得のランクル40&超小型モビリティコムスの再生方法
トヨタブースでは、AE86を水素エンジン化したり、EV化したりする手法でオールドモデルの再生をアピールしていましたが、同じトヨタグループでも「トヨタ車体」は、ちょっと異なるアプローチでの旧車再生を試みています。
再生する対象は、トヨタ車体の2つの顔。「ランドクルーザー」と超小型モビリティの「コムス」です。
●フレーム車だからこそできるランドクルーザー40の再生
現代のクルマの多くはモノコックといって、ボディそのものがフレームとなっている構造をしています。
一方で、ランドクルーザーなどのクロスカントリー車やピックアップトラックなどは、ハシゴ型のラダーフレームに、エンジンやミッションなど走るために必要なユニットを搭載。ボディは上から被せるようになっています。
トヨタ車体では、この構造を生かしてランドクルーザー40の再生を模索しています。
再生に使われるフレームは、ランドクルーザー70のもの。つまり、中身はランドクルーザー70で、そこにランドクルーザー40のボディを被せてしまうおうというわけです。
トヨタ車体のブースには、実際にランドクルーザー70のフレームにランドクルーザー40のボディが載せられたモデルが展示されていました。その注目度は高く、来場者の多くが群がるように見入っています。
普通の展示車なら、ドアを開けたい、エンジンルームを開けてのぞき込みたい…といった要望が出るものです。が、このクルマに限ってはちょっと違う様子。多くの来場者はヒザをついて、フロア下をのぞき込みます。たぶん「本物か?」と思っているのでしょう。私も覗いてみましたが、フロア下にあるべきものはちゃんとあり、しっかり走れる状態となっていました。
モノコック主流の現代ですが、フレーム+ボディだからこそできるこの再生方法。もしかしたら、ものを大切にする日本人の気質には合っているかも知れません。
●役目を終えた超小型モビリティがスタイリッシュに変身
トヨタ車体は、ランドクルーザーといった大型のモデルを担当している車体メーカーです。が、実はその真逆となる超小型モビリティも製造しています。
トヨタ車体が製造している超小型モビリティは「コムス」というモデルで、コンビニエンスストアの配達などでも使われています。コムスは2012年の発売以来、10年弱の販売期間となりますが、累計販売台数は1万台を超えています。
ビジネスシーンで使われるクルマは、例え使える状態であっても、ある程度の期間が経つと買い換え需要のために中古車が発生します。こうして発生した中古車をどのように活用するかは、SDGsの観点からも大切です。
トヨタ車体は、この中古のコムスをベースに、カスタムモデル「Fun・COMエクスプローラー」の製作に乗り出します。
「Fun・COMエクスプローラー」は、コムスがベースだったとは思えないスタイリング。
サンドバギーを思わせるフォルムとなったコムスは、マッドブラックに塗装。サスペンションのコイルスプリングはレッドに変更。高圧電流が流れる電線にが通るオレンジ色のベローズパイプなども「Fun・COMエクスプローラー」のいいアクセントとなっています。
どこから見ても、いいコちゃんだったコムスは、生まれ故郷のトヨタ車体でちょい悪イメージに大変身! コムスをパーソナルユースで乗ることに抵抗があったユーザー層も、「Fun・COMエクスプローラー」なら楽しんで乗ることができそうです。
●ランクルの世界を広げるカスタマイズショップの展開がはじまる
トヨタ車体ブースには、ダカールラリーに参戦しているランドクルーザー300GRスポーツをベースに、ラリーマシンと同様のドレスアップを施したモデルも展示されました。
トヨタ車体では今後、「ランクルBASE」と名付けた、ランドクルーザーのカスタマイズ&用品の販売や取り付けなどを行うショップ展開始める予定。このドレスアップモデルは「ランクルBASE」のイメージモデル的な存在。
「ランクルBASE」の第1号店は、1月21日(土)愛知県刈谷市一里山町の東海特装車・富士松工場にプレオープン。21日、22日はイベントも開催される予定です。
(文・写真:諸星 陽一)
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