スポーツカー「新型フェアレディZ」がSUVに!?製作はまさかの日産系列大学校!【東京オートサロン2023】

■日産京都自動車大学校が新型フェアレディZをSUVにカスタマイズ!

●ベースとなったのはZ50ムラーノ

日産京都自動車大学校カスタマイズ科の皆さん
日産京都自動車大学校カスタマイズ科の皆さん

日産自動車大学校は、東京オートサロン2023に2台を出展していますが、実は一台は愛知校、もう一台は京都校で、生まれた場所はまったく違うところの学生さんによるものです。

日産京都自動車大学校のフェアレディX
日産京都自動車大学校のフェアレディX

で、こちらのオレンジ色のフェアレディZ風SUVは「Fairlady Z」ならぬ「Fairlady X」。こちらは日産京都自動車大学校、カスタマイズ科の学生さんによる作品です。

ベースとなったのは初代ムラーノ(Z50)
ベースとなったのは初代ムラーノ(Z50)

パッと見は新型フェアレディZのようですが、車両自体はスポーツカーではなくどう見てもSUV。それもそのハズ、ベースとなるのはムラーノ(Z50系)だそうです。ムラーノの型式って「Z」だったんですね。これは相性が良さそうだ!?

バンパーの上半分はRZ35新型フェアレディZのものを使用
バンパーの上半分はRZ35新型フェアレディZのものを使用

そのムラーノのフロント周りはどこからどう見ても新型フェアレディZ(RZ35)です。新型フェアレディZのヘッドライト、バンパーなどを移植しますが、バンパーはどう考えても高さが足りません。そこでヘッドライト周辺は生かしつつ、真ん中当たりから下を延長。オリジナルに製作したと言いますが、その造形は市販車の何かを持ってきたように自然な仕上がりです。ちなみにグリル部分はR35GT-Rのものを流用したそうです。

バンパーとフェンダーのつなぎ部分もうまくやらねばなりませんが、その形状やチリ(合わせ目の隙間)部分も見事なクオリティで出来上がっておりました。

リヤドア〜リヤフェンダーへの膨らみは苦心した部分
リヤドア〜リヤフェンダーへの膨らみは苦心した部分

そして、サイド部分ではリヤドアの途中からリヤフェンダーにかけて、大きく膨らみが付けられているのがわかります。この部分も不自然さはなく、担当学生さんによると「左右で少しずつ寸法を測りながら造形し、苦労した」部分だと言います。元となる型や図面があるわけではないでしょう。左右対称に作るのは苦心しただろうなと想像できます。

Fairlady Zのエンブレムも生きるリヤスポイラー
Fairlady Zのエンブレムも生きるリヤスポイラー
リヤスポイラーも自然に装着
リヤスポイラーも自然に装着

リヤ周りで目を引くのが、やはり新型フェアレディZ用を移植したリヤスポイラー。ハッチバック形状のムラーノのボディなら、空力的にはリヤウインドウ上部にないと効果は大きくないかも知れませんが、フェアレディであるからにはリヤウインドウ下端に装着が必須でしょう。それも不思議なくらい自然にリヤゲートと一体化され装備されておりました。リヤコンビランプももちろん新型フェアレディから持ってきています。

ドア内張りはアルカンターラを貼り付ける
ドア内張りはアルカンターラを貼り付ける
運転席、助手席はRECAROを装着
運転席、助手席はRECAROを装着

内装では、基本はムラーノのものを基本的には使用しています。ドア内張りなどはアルカンターラで高級感をアップ。贅沢にもシートはホワイトのレカロ。このへんはスポーツ色を出したかったからだと思われます。

●大阪オートメッセ2023にも出展予定

日産京都自動車大学校では、カスタマイズ科でもう一台のカスタムカーを製作中で、そちらは大阪オートメッセ2023に出展予定。そちらはK11マーチベースでSR311フェアレディ風に仕上げているそうです。そのお披露目が楽しみですね!

(文/写真:小林和久)

この記事の著者

編集長 小林和久 近影

編集長 小林和久

子供の頃から自動車に興味を持ち、それを作る側になりたくて工学部に進み、某自動車部品メーカへの就職を決めかけていたのに広い視野で車が見られなくなりそうだと思い辞退。他業界へ就職するも、働き出すと出身学部や理系や文系など関係ないと思い、出版社である三栄書房へ。
その後、硬め柔らかめ色々な自動車雑誌を(たらい回しに?)経たおかげで、広く(浅く?)車の知識が身に付くことに。2010年12月のクリッカー「創刊」より編集長を務める。大きい、小さい、速い、遅いなど極端な車がホントは好き。
続きを見る
閉じる