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■初代(NA型)ロードスターのラテン系雰囲気のド派手な限定車
1993(平成5)年1月3日、初代ロードスター「ユーノスロードスター」の限定車「ロードスターSリミテッド」がデビューしました。足回りなどを強化した追加グレード「Sスペシャル」の内外装を赤と黒でまとめたラテン系雰囲気の限定販売モデルです。
●ライトウェイトスポーツブームを巻き起こした初代NA型ロードスター
初代ロードスターは、1989年にデビューした「ユーノスロードスター」です。現在もマツダで継承されているコンセプト“人馬一体”をベースに開発され、特徴は軽快な走りのための軽量&コンパクトでした。
エクステリアとインテリアのデザインは、能面をモチーフにした和のテイストを生かし、また丸目のリトラクタブルヘッドライトとリアコンビネーションランプも個性的でした。
エンジンは、あえてターボは使わず最高出力120PSを発揮する1.6L DOHCを縦置きにし、駆動方式はFR方式を採用。重量をできる限り車体中央に集中させ、レスポンスに優れた走りとハンドリングを実現しました。
初代ロードスターは、軽快なハンドリングと小気味よい走りが楽しめるライトウェイトスポーツとして、国内外で大ヒット。予約段階で大量のバックオーダーを抱える大人気となり、翌年1990年の販売台数は25,000台を超えました。
●ロードスターSスペシャルをベースにしたSリミテッド
初代ユーノスロードスターのデビューから4年後の1993年初頭に登場したロードスターSリミテッドのベースは、前年に設定された追加グレードの「ロードスターSスペシャル」です。
Sスペシャルは、エンジンには手を加えず、スポーツ性能を高めるため足回りをチューニングした新グレード。サスペンションは、ビルシュタイン社と共同開発した専用ダンパー、軽量かつ高剛性のBBS製のアルミホイールなどが装備されました。
Sスペシャルをベースに、1000台限定で発売されたSリミテッドは、真っ黒なボディに真っ赤なインテリアが特徴で、特にインテリアについては、シートからカーペット、ドアの内張り、シートベルトまで真っ赤に統一するという徹底ぶり、かなり派手で目立つ仕様に仕上がっています。
●次期5代目(NE型)は、EVかPHEVか?
ライトウェイトスポーツとして多くのファンを持つロードスターですが、2015年の現行4代目(ND型)が登場して8年が経過し、次期5代目(NE型)ロードスターについて、いろいろな情報が取りざたされています。
エンジン車の代表的なスポーツモデルであるロードスターの次期車も電動化は避けられません。マツダの中期計画では、2030年にBEVが3車種、PHEVが5車種、HEV(含むマイルドHEV)が5車種となっています。
こういった背景を考慮すると、ロードスターはマイナーチェンジで「SKYACTIV-X」を搭載したエコなスポーツカーとなり、2030年にはEVまたはPHEVとして登場するのではないでしょうか。いずれにせよ、電動化されてもライトウェイトスポーツのけん引役として“人馬一体の走り”を追求し続けてほしいですね。
純ガソリン車、特にスポーツモデルは、CO2規制や車外騒音規制が施行されるため、今後生き残るのは難しいとされています。しかし、ロードスターは日産「GT-R」やトヨタ「スープラ」のようなハイパワースポーツではありませんが、ライトウェイトスポーツで多くのユーザーを抱えているモデルですので、比較的長く生産が続けられる可能性は高いように思われます。
もちろん、純ガソリンでなくともマツダはロードスターの火を灯し続けてくれると、日本のクルマ好きなら期待したいものですね。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれません。
(Mr.ソラン)