■完成されたデザイン
今のクルマはいろんなことが自動化されていて、信号待ちでブレーキペダルから足を離しても停止状態を保持したり、高速道路でアクセルやブレーキを操作しなくても前を走るクルマに合わせて速度を調整してくれるし、高速道路でウインカーを操作すると車線変更してくれるし、高速道路を手放し運転で走れるクルマだって普通に市販されている。
衝突しそうになるとクルマが勝手にブレーキをかけて事故を防ぐ機能は、新型車に義務付けとなり、付いていない新車を探すほうが難しい。
でも、ボクの愛車はそれらが一切付いてない。だって30年以上前に発売された世代のクルマなんだから。
初代のホンダNSXだ。
「そんなに前のクルマなんて感じないようね。デザインが完成されているからかな」
そんな彼女の推察は、間違っていないだろう。
●見るからにスーパーカー
初代NSXのデザインは、潔いほどにシンプルなのがいい。2代目である今どきのNSXは、デザインのための飾りっぽいラインがたくさん入っているけれど、初代NSXはそうじゃない。とてもクリーンだ。
そして見るからにスーパーカーしているのもいい。
初代NSXは前期型がリトラクタブルヘッドライトで、後期型は固定式に変更されている。ボクの愛車は固定式。人によって好みが分かれるところだけど、ボクは後期型のほうが好きだ。
彼女によると「美しいものは時代を超えて美しいよね。低くて滑らかなデザインが好き。まあ、このシートは乗り降りがしづらいけれど」とのこと。
フルバケットシートの乗り降りがし辛いのは間違いない(苦笑)。
(文:工藤 貴宏/今回の“彼女”:坂元 誉梨/ヘア&メイク:加藤 紗弥/写真:ダン・アオキ)