■定期メンテナンスや地図編集などのアフターサポートと自動運転システム提供者専用保険もパッケージ化
以前お伝えしたように、自動搬送サービス「eve auto」の実証実験を進めてきたeve autonomyは、ヤマハ発動機、ティアフォーと開発を推進してきた自動搬送サービス「eve auto」の提供を開始すると明らかにしました。
国内初の取り組みになる(eve autonomy調べ)自動運転EVによる自動搬送の商用サービス「eve auto」は、ヤマハ発動機が専用開発した自動運転EVと、自動運転のスタートアップであるティアフォーが提供する商用ソフトウェアプラットフォーム「Pilot.Auto」と「Web.Auto」が組み合わされた自動搬送サブスクリプション型サービス。
定期メンテナンスや地図編集などのアフターサポートと、自動運転システム提供者専用保険もパッケージ化されているのも特徴で、工場や倉庫など、公道を除く幅広い環境で利用できます。
eve autonomyは2020年2月の設立から約2年半、「eve auto」の商用サービス提供に向けて取り組んでいて、2020年夏ごろからヤマハ発動機浜北工場においてレベル4の自動運転をスタート。
現在、ヤマハ発動機の3工場で運用されているほか、プライムポリマー姉崎工場、パナソニックの大泉地区コールドチェーン工場、富士電機の鈴鹿工場、日本ロジテムの上尾営業所、ENEOS根岸製油所など、合計9社にて運用されています。
同サービスが開始された背景には、労働人口減少やコロナによって自動化ニーズが高まっていることがあります。
カーボンニュートラルに向けた取り組みの重要性が増す一方で、屋外搬送については人による操作による搬送が継続されています。屋外搬送は、従来の自動搬送車(AGV)では対応が難しいという課題があったそうです。トラックや乗用車、自転車などの車両や歩行者が混在する走行環境、埋設された電磁誘導線などによる搬送ルートの固定化が難しいことも課題だったそう。
こうした課題を技術的に解決するため、ヤマハ発動機が車体開発した自動搬送サービス向けの小型EVに、ティアフォーの商用ソフトウェアプラットフォーム「Pilot.Auto」「Web.Auto」を適用。屋外の環境に対応する自動搬送サービス「eve auto」として開発され、サービス提供開始に至っています。
「eve auto」は、工事不要で導入できます。1500kgまで牽引できる屋内外対応型の自動搬送サービスで、運行管理システムのほか、導入後の運用サポート、車両メンテナンスなどのサービスをワンストップで提供されるサブスク型になります。
厳しい屋外環境でも走破できるランドカー、低速自動搬送でのユースケースに最適化された自動運転ソフトウェアがベースになっていて、多少の雨風や悪路にも対応できるそうです。
(塚田勝弘)