目次
■冬の旧車の乗り方に関するアンケート調査
寒い冬の季節が到来し、各地で降雪が観測される時期となりました。冬でも年式が比較的新しいクルマに乗るユーザーであれば、地域にもよりますが、通勤・通学や普段の買い物などにも使う人も多いため、よっぽどの大雪でも降らない限り、冬タイヤなどを装着して普段通りに乗る人も多いでしょう。
でも、たとえば、稀少なヒストリックカーや旧車などでは、冬の間は故障やトラブルを避けるため、乗らずにガレージ保管する人も多いといったイメージもあります。
では実際に、旧車のオーナーは、冬でも愛車に乗る人は多いのでしょうか? また、夏場と比べて旧車に乗る頻度が「変わらない」人、「減る」人、「増える」人には、それぞれどういった理由があるのでしょうか?
旧車に特化した買取サービス「旧車王」を運営するカレント自動車では、旧車に興味のあるユーザー160名を対象に、冬の旧車の乗り方に関するアンケートを実施。
その結果、冬でも旧車に乗る人が55.0%と過半数を超えていることや、中には「夏場よりもクルマに優しい」ことで、むしろ冬場に乗る頻度が増える人などがいることが分かりました。
●夏と冬で旧車に乗る頻度は変わるのか?
今回の調査は、2022年12月1日〜2022年12月12日の期間、インターネットによるアンケート形式で実施されました。また、ここでは、2010年以前のクルマを旧車と定義しています。
調査では、「夏と冬で旧車に乗る頻度が変わるか」を質問。その結果、
・「変わらない」 55.0%
・「夏よりも減る」 30.0%
・「夏より増える」 15.0%
と、「変わらない」と答えた人が過半数を超えることが分かりました。
調査では、さらに、冬季の旧車に乗る頻度の変化について、その理由も質問。それぞれの回答について、いくつか例を紹介しています。
【夏と冬で旧車に乗る頻度が「変わらない」理由の例】
・旧車だが、生活の実用車だから
・温暖な地域の為に冬用タイヤは必要なく乗れる
・乗りたい時に乗るから季節は関係ない
・週一回乗ると決めているから
・何時の日も四季を問わず天気による、雨天はできるだけ乗らない
調査を行ったカレント自動車によれば「旧車を日常的に使用している、季節は関係なく乗りたい時に乗るという意見が多くありました」といいます。
また、なかには、以下のように、夏と冬で使用頻度は変わらなくとも、むしろ冬の方がクルマに優しいといった意見とか、夏場と冬場ではそれぞれ違う悩みを持つユーザーもいたようです。
・雪が降らなければ、夏よりクルマには負担が少ない
・夏はエアコンが付いていないので辛いが、冬はエンジンのかかりが悪いので辛いです
【夏と冬で旧車に乗る頻度が「夏より減る」理由の例】
・始動や暖気に時間がかかるため
・路面凍結防止剤で車体が傷むため
・寒いと、エンジンに悪い
・雪や雨の時は事故になりやすいので日中の天気の良い日にしか運転しない
・当方豪雪地域なので錆びや損傷を防ぐために、冬場は殆ど乗りません
・ドライブが寒いとおっくうになる
・四駆でないから
・足まわりや電気系に不安を感じるため
上の回答例を見る限り、やはり、夏より旧車に乗る頻度が減るユーザーは、雪が多い地域に住んでいる人が多そうです。また、車体や機関系のトラブルなどを避けるために、乗る頻度を減らす人もいることがうかがえます。
あくまで私見ですが、そうした人の場合は、別にセカンドカーを持っていて、そちらに乗る人も多いかもしれませんね。
【夏と冬で旧車に乗る頻度が「夏より増える」理由の例】
・インタークーラーターボ付きで空気が冷えるとより速くなって楽しいので
・夏の暑さがクルマへの負担になっているような気がするのと、エアコンの効きが弱いので乗員の身体的負荷も高いため
・夏は暑すぎて乗れない
・空冷エンジンなので夏は乗らない
・エアコンが無いから冬の方が良い
・オーバーヒートへの懸念が少なくなる為
・夏は暑くて車に負荷がかかる、そしてエアコンの効きが悪いので暑くて乗れない
・バッテリー上がり対策です
「エアコンがないから」とか「空冷エンジンなので」といった、旧車ならではの理由で、夏より冬に乗る頻度が多くなる人もいるようです。また、なかには、「インタークーラーターボ付き」の車両なので、外気温が低い冬の方が楽しめるといった、スポーツタイプの旧車に乗るユーザー特有の理由を挙げている人もいますね。
いずれにしろ、旧車に乗る頻度が冬場の方が「夏より増える」ユーザーは、冬季でもあまり雪が降らない地域に住んでいる人が多いことがうかがえます。
●冬は旧車にスタッドレスを履くか?
ちなみに、調査では、「冬に旧車にスタッドレスを履くか?」についても質問しています。その結果は、以下の通りです。
・「いいえ」 62.9%
・「はい」 37.1%
今回の調査対象になった160名の旧車ユーザーが住んでいる地域の割合は、未発表のため、一概にはいえませんが、冬と夏で乗る頻度が変わらないユーザーが過半数以上を占める一方、冬場にスタッドレスタイヤを履かないユーザーも62.9%と多い結果となったようです。
また、調査では、「はい」と回答したスタッドレスタイヤを履くユーザーに、選ぶポイントについても質問。結果は以下の通りです。
1位:銘柄 52.1%
2位:価格 22.5%
3位:サイズ 18.3%
4位:耐摩耗性 7.0%
スタッドレスタイヤを銘柄で選ぶ人が過半数以上を占めたようですね。なお、これに関し、調査を行ったカレント自動車では、
「タイヤも銘柄によって特徴やデザインが異なります。乗る地域により雪上・凍結路面向きのタイヤを選んだり、あまり雪の降らない地域で予防としてスタッドレスタイヤを装着する場合には、より寿命が長いタイヤを選んだりと、選ぶ基準も異なるのではないでしょうか」
とコメント。つまり、自分が住んでいる地域における、冬場の道路環境や特性に合った性能を持つ銘柄を選ぶユーザーが多いということですね。
ともあれ、今回の調査を見る限りでは、前述の通り、旧車でも、冬場に普段と同じ頻度で乗るユーザーが過半数以上いることが判明。せっかく長年大切にしている愛車なので、冬でも元気に走らせたい人が多いようです。
(文:平塚直樹 *写真はすべてイメージです)