■兄貴分「トゥアレグ」をベンチマークに開発順調
フォルクスワーゲン(VW)は現在、人気クロスオーバーSUV「ティグアン」次期型を開発中ですが、その最新プロトタイプをカメラが捉えました。
ティグアンは2007年に導入され、2011年に初のフェイスリフトを受けています。第2世代となる現行型は「MQB」プラットフォームに基づいて2015年に発売、2020年に「eHybrdi PHEV」の追加を伴う大幅改良がなされています。
捉えたプロトタイプは、9月に目撃されたテスト車両から大きな進化は見られません。しかし、兄貴分「トゥアレグ」のハードコアとなる「R」を伴っていることに注目です。
通常プロトタイプが伴うクルマは、そのベンチマークとするモデルが一般的ですが、シンプルなティグアンが、兄貴分のパフォーマンスとクオリティに匹敵するとは考えにくく、単なるプロトタイプをサポートする役目なだけかもしれませんが、電動パワートレインの開発などを同時に進めている可能性もあるでしょう。
エレクトリック化が進む自動車業界ですが、ティグアン次期型では、さまざまな形式の燃焼動力が引き続き提供され、バッテリー駆動のモデルに引き継がれる可能性があります。ティグアンもいずれEVのみのラインアップになりますが、その前に少なくともあと1世代はICEが存続します。
捉えたプロトタイプは、IDファミリーからデザインのインスピレーションを得ることがわかっています。フロントバンパー下部には、全幅に広がる大開口インテークを装備。コーナーには現行型に似せたインテークのステッカーが見えますが、より直立に、より四角い形状になると予想されます。全体的にみるとID.4と「トゥアレグ」をミックスしたイメージで、全幅のLEDヘッドライトとテールライトなどを共有するでしょう。
キャビン内では、中央タッチスクリーンがダッシュボードとは独立した、まったく新しいレイアウトが見てとれます。空調やナビ/ラジオの操作など、ほとんどの機能がディスプレイ上に集約されるはずです。
一方、ダッシュボードの残りの部分はカバーされているため、他の詳細を推測することは不可能ながら、デジタル化、高級化路線は確実と言えるでしょう。
市販型のプラットフォームにはEV向けの「MEB」ではなく「MQB Evo」の進化系を採用、ボディの拡大が予想されており、ロングホイールベースの「オールスペース」と統合される可能性があります。
ティグアン次期型のワールドプレミアは、2023年内と予想されており、現在、中国専売のティグアンクーペの日本市場を含む他国導入も噂されています。