先進技術を搭載した伊・ダイネーゼのバイク用エアバックベスト「スマートジャケット」を警視庁の交通機動隊が導入

■MotoGPライダーも着用する最新ワイヤレスシステム装備

近年、バイクの世界では、転倒時にエアバッグが開き、ライダーの体を衝撃などから守るエアバックベストなどが注目されています。

ダイネーゼのスマートジャケットを警視庁の交通機動隊が導入
警視庁は、都内11方面の交通機動隊員向けにスマートジャケットを導入(写真はイメージ)

一般ライダー向けはもちろん、サーキット走行やレース向けなど、さまざまなタイプがあり、最高速度300km/hを超えるモンスターマシンに乗る2輪車の最高峰レース「MotoGP」のライダーも、エアバッグシステムを搭載したレーシングスーツを着用しているほどです。

そんな中、イタリアのバイク用ウェアメーカー「ダイネーゼ」を国内で手掛けるユーロギア ダイネーゼジャパン事業部は、2022年12月1日(木)、ダイネーゼ製バイク用エアバックベスト「スマートジャケット」を、警視庁の交通機動隊に納入したことを発表しました。

独自のワイヤレスエアバッグシステム「D-air」を搭載するこのベストは、7つのセンサーなどを用いた先進テクノロジーにより、転倒時にライダーの体をしっかりとプロテクトする優れモノ。

ユーロギア ダイネーゼジャパン事業部によれば、警視庁は、都内11方面の交通機動隊員向けに導入するそうです。

●ライダーの動きを1秒間に1000回も解析

今回、警視庁の交通機動隊が導入するダイネーゼのスマートジャケットは、内蔵された合計7個のセンサーを搭載するD-airというシステムを搭載するのが大きな特徴です。

ダイネーゼのスマートジャケットを警視庁の交通機動隊が導入
ダイネーゼのバイク用エアバックベスト「スマートジャケット」

従来の一般的なエアバッグベストでは、車体とライダーを物理的なワイヤーで接続し、転倒によってガスボンベの栓が抜かれ、炭酸ガスがエアバッグへ充填される単純な仕組みでした。

一方、スマートジャケットのD-airは、バイクとワイヤーとの接続は一切不要。

加速度センサー×3、ジャイロセンサー×3、GPSといった各センサーが、1秒間に1000回ライダーの体の動きを解析し、特別なアルゴリズムによって事故を事前に認識することで、立体構造のエアバッグを高圧縮ガスで瞬時に膨張させる仕組みを採用します。

また、エアバッグには内部がどの部分においても5cm均等に膨らむ、ダイネーゼが特許を持つ「マイクロフィラメント」を採用。一般的な風船のような構造のエアバッグとは異なり、どの部位でも均一な衝撃吸収性能を実現することで、一般的なプロテクターの約8枚分(胸部)のプロテクション性能を発揮します。

●一般ライダーも購入できる

ダイネーゼでは、このD-airというシステムを25年以上の歳月をかけて研究開発したといいます。また、前述のMotoGPでも、2007年から採用されています。

ダイネーゼのスマートジャケットを警視庁の交通機動隊が導入
ワイヤレスエアバッグシステム「D-air」

つまり、スマートジャケットが採用するD-airは、サーキットで培われた技術などを一般公道向けに投入した、最新鋭のプロテクションベストだといえます。

なお、スマートジャケットの保護範囲は、胸、背中、首。また、対応する事故は、

・正面衝突(45-135°の範囲)
・走行中の追突(360°全方位)
・信号待ちなど停止中の追突(360°全方位)
・ローサイド(前輪または後輪がトラクションを失い転倒)
・ハイサイド(後輪がスライド後にトラクションを回復し、ライダーが投げ出される)

と広範囲です。

ダイネーゼのスマートジャケットを警視庁の交通機動隊が導入
スマートジャケットは一般ライダーでも購入可能(写真はイメージ)

重量は約1.8kgで、ジャケットやアウターの上はもちろん、インナーとして着用することも可能。ただし、あくまで一般公道用のため、競技での使用は不可となります(別途レース用商品あり)。

ちなみに、このジャケットは、警視庁の白バイ隊員ご用達というだけでなく、一般ライダーも購入が可能。通勤・通学やツーリングなどでバイクを楽しむ際に、心強い味方になってくれます。

サイズ・バリエーションは、男性用がXS〜XXL、女性用はXS〜XXL。価格(税込)は14万9600円で、エアバッグが膨張した際の交換費用は3万5750円です。

(文:平塚 直樹

この記事の著者

平塚 直樹

平塚 直樹 近影
自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、クルマ選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!