スタート価格は266万円、スバル・クロストレックはヒット間違いなし【週刊クルマのミライ】

■FFは266万2000円から。AWDは288万2000円からの設定

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ボディカラーは9色。設定されるのは、クリスタルホワイト/マグネタイトグレー/オフショアブルー/クリスタルブラック/ピュアレッド/サファイアブルー/オアシスブルー/ホライゾンブルー/アイスシルバー

2022年9月に、日本でワールドプレミアを果たしたスバルの新型クロスオーバーSUV「クロストレック」のグレード構成とメーカー希望小売価格が正式発表されました。

グレード名は、従来までの排気量+アルファベットを卒業。フォレスターやレガシィアウトバックと同テイストを感じさせる「Touring」と「Limited」の2タイプとなりました。事前発表通り、いずれのグレードにもFFとAWDが用意されます。

気になる価格は、次の通りです。

Touring:266万2000円(FF)/288万2000円(AWD)
Limited:306万9000円(FF)/328万9000円(AWD)

●キビキビ感のあるFFは新たな魅力を提案

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18インチタイヤを標準装備する上級グレードが「Limited」。17インチタイヤのエントリーグレードは「Touring」

新型クロストレックのパワートレインは、全グレードで2.0L ガソリン直噴エンジン+モーターのマイルドハイブリッド「e-BOXER」となります。ですから、グレードによる差別化は仕様の違いとなります。

主なところでは「Touring」のタイヤサイズは駆動方式にかかわらず225/60R17となり、Limitedのタイヤは225/55R18となります。

残念ながら、17インチタイヤを履くTouringの走りは体感していませんが、Limitedに相当する仕様についてはプロトタイプでの試乗経験があります。

そのときの印象を手短にまとめると、FFはキビキビとした加速やコーナリングが味わえるアーバンSUV的な仕上がり。AWDは駆動力で曲がっていく制御を強めたスバルらしいスポーツドライビングをより楽しめる、といったものでした。

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樹脂パーツの造形などによりシャープで、アクティブな印象を生み出している

FFモデルは廉価版という位置づけではなく、AWDとは異なるキャラクターといえます。SUVをファッション的に乗りこなしたいユーザーに向けたスバルらしい回答と捉えるべきでしょう。

ちなみに、従来モデルであるSUBARU XVには1.6Lエンジン車(駆動方式はAWDのみ)が用意されていました。その価格帯は220万円~232万円といったところでした。これは同等仕様の2.0Lモデルに対して30万円安くらいのイメージでした。

新しいクロストレックのFF車は、AWDに対して約20万円安といえる価格設定ですから、従来モデルで1.6L車を選んでいたような予算感のユーザーからすると代替的な選択肢としては、少し高価になったと感じるかもしれません。

●ライバルに比べると割安感あり

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全車が2.0Lエンジン+モーターのマイルドハイブリッド「e-BOXER」を積む。元気に走れるパワートレインだ

また、従来のSUBARU XVでは2.0Lマイルドハイブリッドの最上級グレードでも300万円を切る価格設定となっていました。

新型クロストレックが、ステレオカメラに加えて広角単眼カメラを追加した最新バージョンの運転支援システム「アイサイト」を標準装備することを考えると、従来モデルからの価格上昇は抑えられているのですが、上級グレードで300万円を超えているのは、かなり高価になったと感じるかもしれません。

それでも、新型クロストレックよりボディの小さなモデルと比べると安価な価格設定といえます。

たとえば、マツダCX-30(全長4395mm・全幅1795mm・全高1540mm)でいえばガソリン車の価格帯は245万8000円~303万6000円ですし、日産キックス(全長4290mm・全幅1760mm・全高1605mm)の価格帯は279万8400円~344万8500円となっています。

ホンダ・ヴェゼル(全長4330mm・全幅1790mm・全高1590mm)の価格帯は227万9200円~329万8900円ですから、やはり新型クロストレックは割安感があります。

なにより、クロストレックは従来モデルであるSUBARU XVと同じく、最低地上高200mmを確保していながら、シャークフィンアンテナ・レス仕様では全高1550mmという都市型SUVとして価値のあるディメンションをキープしています。

こうしたボディサイズのメリットとFFの新設定による買いやすさ、燃費性能の改善といった要素を考えると、ヒット間違いなしといえるのではないでしょうか。

●燃費性能も判明! 主要スペック

グレード:Touring(FF)
全長:4480mm
全幅:1800mm
全高:1550mm※ルーフレール・シャークフィンアンテナなしの場合
ホイールベース:2670mm
車両重量:1540~1550kg
乗車定員:5名
エンジン形式:水平対向ガソリン直噴マイルドハイブリッド
変速装置:リニアトロニック(CVT)
燃料消費率:16.4km/L (WLTCモード)
タイヤサイズ:225/60R17
メーカー希望小売価格(税込):2,662,000円

グレード:Limited(AWD)
全長:4480mm
全幅:1800mm
全高:1580mm
ホイールベース:2670mm
車両重量:1610~1620kg
乗車定員:5名
エンジン形式:水平対向ガソリン直噴マイルドハイブリッド
変速装置:リニアトロニック(CVT)
燃料消費率:15.8km/L (WLTCモード)
タイヤサイズ:225/55R18
メーカー希望小売価格(税込):3,289,000円

※掲載している画像はいずれもプロトタイプになります

自動車コラムニスト・山本 晋也

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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