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■2500台限定の特別な「オフ仕様」911が登場
ポルシェジャパンは2022年11月17日(木)、「911ダカール」の国内予約の受付をスタートしました。車両価格は3099万円。全世界で2500台の限定販売となり、現時点(2022年11月)で日本への割り当て台数については明らかにされ
●時速170km/hで自動的に車高がダウン
「911ダカール」は、992型911をベースにしたオフロードモデル。車高は911カレラのスポーツサスペンション仕様比で+50mmアップするとともに、リフトシステムによりフロント/リヤエンドをさらに30mm引き上げることが可能となっています。
これにより「車高とランプ角は、従来のSUVに匹敵」するとポルシェは主張。なお、時速170km/h(!)を超えると、自動的に車高が通常位置に下がる仕組みになっているそうです。
911なのに、悪路も走れるオールテレインタイヤを装着しているのも特徴。専用開発したピレリ スコルピオン オールテレイン プラスは、「全地形対応型」であるとともに、サイドウォールの補強などにより高い耐カット性能を確保しています。
●緩い地面での発進を助けるローンチコントロールも
搭載するのは480ps/570Nmの3.0リッター水平対向6気筒ツインターボエンジン。最高速度は全地形対応タイヤのため、ある程度制限されるということですが、それでも240km/hを公称値に掲げています。
トランスミッションは8速PDKで、駆動方式はもちろん4WD。さらに、後輪操舵システムと911 GT3と同じエンジンマウントも標準装備しています。走行モード切替には、未舗装路向けに「ラリー」「オフロード」を設定。さらに、「ラリーローンチコントロール」が、ホイールの空転を約20%許容して緩い地面で抜群の加速発進性能を提供するということです。
●パリダカ優勝車と同じカラーリングを用意
ルーフには耐荷重42kgのキャリアを用意し、燃料、水筒、折り畳み式シャベル、トラクションボードなどのラリー装備が積載可能。オプションのルーフバスケットのライトを使用するために、ルーフ上には12V電源コンセントまで準備しているとか。
なお、アルミニウム製牽引バーや各部の保護エレメントといった、オフロード車に必要とされる装備一式も取り揃えています。
ラリー用途を想定し、インテリアはフルバケットシートが標準。後席を排除した“本気モード”仕様となっています。ロールオーバーバーや6点式シートベルトもオプションとして設定。軽量化も徹底しており、軽量ガラス、軽量バッテリーなどを積極採用し、車重を911カレラ4 GTSのPDKモデル比で、わずか10kg増の1605kgに抑え込んでいるのも優秀です。
●「ニュルブルクリンク北コースのように砂地を走行できる」
「911ダカール」の車名は、1984年にポルシェが4WDの911で初めて総合優勝を果たした1984年のパリダカにちなんだもの。
その優勝車のカラーリングを再現できる「ラリーデザインパッケージ」もオプションに用意(価格433万7000円)しています。ボディサイドに「Rothmans」ではなく「Roughroads」のレタリングを配している点にもご注目。
様々な施策により、911ダカールは「ニュルブルクリンクの北コースと同じように、砂地や緩い地面でダイナミックに走行できる」クルマに仕上がっているということです。
2度の世界ラリー王者に輝くポルシェのレジェンドドライバー、ワルター・ロール氏も、「信じられないくらい運転するのが楽しいクルマです。すべてがとにかく正確で、穏やかに作動します」とコメントしています。
(三代 やよい)