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■傑作コンパクトのキャトルがピュアEVになって復活へ
ルノーは、2022年10月17日に開幕したパリモーターショーで、次期型「キャトル」を想定したコンセプトカーを発表しました。全長4.1mのコンパクトなBEVとして生まれ変わる「キャトル」は、時代のニーズに応えたクロスオーバースタイルを採用するようです。
●ヤリスクロスに近いサイズ感の電動SUV
ルノーがかねてより予告していたとおり、10月のパリモーターショーで次期型キャトルのスタディモデルが公開されました。
「4EVER Trophy」と名付けられたコンセプトモデルのボディサイズは、全長4160×全幅1950×全高1900mm、ホイールベースが2570mm。全幅と全高はショーカーらしく「盛られて」いるものの、全長から想定するに、サイズ感としてはトヨタのヤリスクロスやフォルクスワーゲン Tクロスあたりに近いようです。
ルノーは、次期型キャトルを想定した「4EVER Trophy」を「Bセグメントに属する電動SUV」であると謳っています。
ベースとなるのは、日産が開発を主導したCMF-EVプラットフォーム。これはAセグメントからCセグメントまでをカバーするフレキシブルな車台であり、日産アリアやルノー メガーヌ E-TECH Electricが兄貴分的存在になります。
●懐かしの台形ウィンドウやテールランプを再解釈
コンセプトカーのデザインには、オリジナルのキャトルのモチーフが随所に活かされています。グリルとヘッドランプをコンパクトにまとめたフロントセクションや、後輪上に配置された角丸の台形サイドウインドウ、シンプルなボディサイドの処理、ピル(丸形の錠剤)型のテールランプなど、キャトルの特徴が上手に散りばめられています。
「4EVER Trophy」の名前のとおり、コンセプトカーは人道支援を目的とした学生主体のラリーレイド「4Lトロフィ」をイメージしたタフ仕様になっています。グラウンドクリアランスをたっぷり確保し、ルーフ上にスペアタイヤを搭載。さらに、万一の際に備えて車体の後ろにシャベルとスタックヘルパーを背負っています。
各ホイールにはコンプレッサーを搭載。走行シーンに合わせてタイヤの空気圧を車内から調整できる機能を備えた本格仕様となっているのも、本コンセプトカーの特徴です。
●21世紀版サンクは2024年に生産スタート
オリジナルのルノー キャトルは1961年に誕生。それから30年余り、100を超える世界の国や地域で800万台以上を販売したロングセラーモデルです。頑丈で使い勝手にも優れていたので、フランス国内では郵便局や憲兵隊(国家警察)の御用達として幅広く活躍。「クルマのジーンズ」の愛称は、まさにキャトルの特徴を的確に表現していました。
そのキャトルの現代的解釈である次期型モデルは、北フランスに新設した電気自動車のハブ拠点「ルノー エレクトリシティ(ElectriCity)」で製造される予定です。
キャトルに先行して、ルノーではサンクの次期型モデルを2024年から同拠点で生産開始することも明言しています。
(三代 やよい)