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■ソニー・ホンダモビリティの第一弾は2025年に受注開始
ホンダとソニーが協業して、まったく新しいモビリティを生み出すことが宣言されてから約半年。2022年10月13日に、ソニー・ホンダモビリティの設立発表会が開催されました。
両社の協業については、ホンダの持つモビリティへの知見と、ソニーが得意とするエンターテインメントを融合したクルマが誕生しそうということで期待は高まる一方ですが、設立発表会では、そうして生まれる第一弾モデルのスケジュールについて明らかとなったのです。
そのスケジュール感は次のようになっています。
2025年前半:発表・先行受注
2025年内:発売開始
2026年前半:北米でデリバリー開始
2026年後半:日本でデリバリー開始
いかがでしょうか。2022年に協業を発表してデリバリーは4年後というのはデジタル業界のスピード感からするとヌルイと感じるかもしれません。
しかし、4年後という時間軸から言えるのは「ソニー・ホンダモビリティの生み出すモデルというのは、すでに存在しているアーキテクチャーをベースにはしていない」であろうことです。
ソニー・ホンダモビリティの生み出すモデルは、高付加価値のBEV(電気自動車)ということは明言されています。
ホンダのBEVとしてはコンパクトボディのHonda eがローンチ済みで、中国向けには日本でいうヴェゼルと似たボディを持つBEVを展開しています。
これらのモデルに採用されたアーキテクチャーをベースとするのであれば4年後のデリバリーというのは遅すぎます。つまり、プラットフォームを新規開発していると考えられるのです。
●生産拠点は北米、ローンチも北米が先行と発表
なお、ソニー・ホンダモビリティの第一弾モデルについては北米で生産されることも明らかとなりました。
北米といえば、ホンダはGMとの協業によるGM系プラットフォームを用いるBEVの開発を進めています。
その第一弾となる「Acura ZDX(ズィーディーエックス)」については、2024年中に北米で発売されることが予定されています。仮に、このアーキテクチャーを利用するならば、やはりソニー・ホンダモビリティのモデルが2026年にデリバリー開始というのはタイムラグが大きいという印象です。
じつは2026年デリバリーのヒントとなる発表がありました。
ホンダは、アメリカ・オハイオ州の3工場を北米におけるEV生産のハブ拠点へとするべく7億ドルの投資をして、工場をBEV向けに改良するという発表を2022年10月11日にしています。
この生まれ変わった工場ではホンダ独自のEV向けプラットフォーム「Honda e:アーキテクチャー」を採用したBEVを生産予定で、その発売時期は2026年となっています。
●ラインナップの拡充も期待できそう
状況証拠的には、オハイオ州に置かれるBEVのハブファクトリーにて、ソニー・ホンダモビリティのモデルも混流生産されると考えるのが妥当です。
視点を変えれば、ソニー・ホンダモビリティの第一弾モデルについては「Honda e:アーキテクチャー」をベースとするであろうと予想できるのです。
Honda e:アーキテクチャーについての詳細は不明ですが、ホンダの電動化を担うテクノロジーですから、様々なサイズ感のモデルに展開できるプラットフォームになっていると考えられます。
ソニー・ホンダモビリティがホンダ独自のBEVアーキテクチャーを利用するとなれば、高付加価値の大型乗用車だけでなく、ソニーやホンダといったブランドに期待する身近な存在となるコンパクトなモデルも用意することが可能なはずです。
ウォークマンやスーパーカブのような世界中で知られるプロダクトをルーツとするソニー・ホンダモビリティが、どのようなラインナップの拡充をしていくのかおおいに期待したいと思います。