フォードF150のEVは史上最強に使えるピックアップ!注文殺到も納得の万能ぶりとは?

■テントもヨットもガシガシ積めるアメリカンEV

フォード F150ライトニング。牽引イメージ。フロントビュー
フォード F150ライトニングの航続距離は最長515km。抜群の積載量と牽引能力を誇る

アメ車といえばピックアップトラック。その代表選手ともいえるのがフォードF150です。2021年に発表された最新型には、100%電気で走るピュアEV版のF150ライトニング(F-150 Lightning)が追加されました。

「F150よ、お前もか……」とペトロールヘッドなアメリカ人が嘆くかと思いきや、正式発売前から予約注文が殺到! それもそのはず、F150ライトニングは歴代で最も万能なピックアップトラックに生まれ変わっていたのです。

●F150史上最も強く、最も使える1台

2022年4月の本格生産開始時点で、すでに20万台のバックオーダーを抱えるほどの人気を獲得したF150ライトニング。その最大の魅力は、なんといっても歴代モデルを凌駕するオールラウンダー性です。

前後アクスルにモーターを搭載する4×4が標準のF150ライトニングは、上位モデルで最高出力580馬力(標準モデルは最高出力452馬力)・最大トルク1050Nmという怪力自慢。F150史上最強のフレーム材を組み合わせることで、積載量は最大2235ポンド(1013kg)と1トン超に達しています。牽引能力も驚異の最大1万ポンド(約4535kg)を実現しました。

●ボンネット下にも広大な荷室

フォード F150ライトニング。電源活用シーン
様々なツールの「電源」としても活躍するフォード F150ライトニング

収納力も史上最高レベル。V8エンジンを積む必要がなくなったフロントボンネット下にも、容量400リットルという広大な荷物スペースが備わっています(フォードでは、「フ」ロントのト「ランク」=「フランク」と呼んでいます)。しかも防水、かつ排水機能つきだから、汚れた道具も気にせずガシガシ積み込むことが可能です。

電気自動車ならではの特性を活かし、キャビンだけでなく、「フランク」と荷台にまで電動工具も使える120V電源とUSBポートを完備。夜間にも作業ができるよう、荷台や足元など、トラック周辺を煌々と照らし出す照明システムも用意しています。

フォード F150ライトニング。車車間充電イメージ
フォード F150ライトニングは他のEVに充電できるオプション機能も用意

「プロ パワー オンボード」というオプションを装備すれば、専用の240Vコンセントを使って他のEVに車車間充電を行うことができるのもユニークです。

●「引っ込むシフトレバー」というユニークなアイデア

キャビンも徹底的に実用性にこだわっています。たとえば、シフトセレクターが格納できるようになっているので、いざというときはセンターコンソールをフラットなデスクとして利用可能に。リヤシートの座面を跳ね上げれば、そこにも広大な収納空間が広がっています。

フォード F150ライトニング。コクピット
フォード F150ライトニングのシフトレバーは格納式。センターコンソールをデスク代わりに使用できる

F150ライトニングの航続距離は、最長約515km。アメリカ本国で4万6974ドル(約680万円)から、という絶妙なプライスレンジを掲げているのも人気の理由のひとつでしょう。

フォード F150ライトニング。テント使用イメージ。リヤビュー
フォード F150ライトニングは遊びに仕事に全方位で使えるピックアップEVに仕上がっている

じつは今、フォードのラインナップはものすごく魅力的。

新型ブロンコは釣り人仕様/トレイル仕様/レスキュー仕様と、用途別に200以上の純正アクセサリーを完備。

伝統の「マスタング」の名を関するピュアEV、マスタング マッハEもポルシェ マカンに競合する実力派であったりと、食指をくすぐるモデルが揃い踏みとなっています。

フォードジャパンよもう一度。つい願わずにはいられないのが正直なところです。

(三代 やよい)

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この記事の著者

三代やよい 近影

三代やよい

自動車メーカー勤務後、編集・ライティング業に転身。メカ好きが高じて、クルマ、オートバイ、ロボット、船、航空機、鉄道などのライティングを生業に。乗り継いできた愛車は9割MT。ホットハッチとライトウェイトオープンスポーツに惹かれる体質。
生来の歴女ゆえ、名車のヒストリーを掘り起こすのが個人的趣味。
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