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■100%電気で走るポルシェ964!
ポルシェ911のナローや964、GT40、メルセデス・ベンツ“パゴダ”280SL、ランドローバー シリーズ2Aといった、アイコニックな歴史的名車を電気自動車に生まれ変わらせているのが英国のエバラティ社(Everrati Automotive Ltd)。
2022年10月5日には、そのコレクションに964型911のカブリオレも加わりました。
●航続距離は約300km
英国のエバラティ社は、往年の名車を電気自動車に生まれ変わらせるスペシャリスト。
2019年の創業以来、オックスフォードシャーを拠点に、旧車をレストアしつつEV化するという「エレクトリック レストモッド(レストア+モディファイ)」を行ってきました。
今回、彼らが新たにラインナップへ追加したのは、964型のポルシェ911カブリオレ。最高出力440馬力/500馬力の2タイプ(最大トルクは500Nm)を用意し、後者は0-60mph(約97km/h)加速4秒以下というパフォーマンスを実現しています。
搭載するバッテリーの容量は62kWhで、航続距離は200マイル(約321km)。
重量配分やシャシーのレスポンスを最適化することで、オリジナルのもつドライブフィールを可能な限り継承しているのもエバラティがこだわるポイントです。
●ランドローバー シリーズ2AもEVへ換装
ポルシェ以外に、ランドローバー伝統のシリーズ2Aを電動化しているのも英国企業ならではです。
また、シェルビー コブラのリプロダクションモデルなどを手掛けるスーパフォーマンス社とタッグを組み、GT40 マーク2なるアメリカンスーパーカーもピュアEVに換装。
さらに、エレガントなパゴダルーフをまとうメルセデス・ベンツ280SL(W113)もエバラティ社のメニューにラインナップされています。
●旧車を長く乗り続けるための新しい選択肢
ヨーロッパでは、内燃機関をモーターに交換するコンバートEVの市場が段々と拡大しつつあります。高額なヴィンテージカーだけでなく、スマートやパンダといったベーシックカーを改造する業者や団体も増えているようです。
くわえて、BMWグループでは2022年1月に「MINI リチャージド プロジェクト」と銘打ち、クラシックミニを“純正コンバートEV”にする取り組みをスタートすると発表しています。現在、本格始動に向けて準備が進められている最中とのこと。
古いものを大切に使い続けるのも、環境のためにできることのひとつ。
日本でも内燃機モデルのEVコンバートを行う会社が登場していますが、BMWのように自動車メーカー自ら率先して行うようになれば、EVの市民権獲得の一助になりそうです。
(三代 やよい)