ルノー キャトルが帰ってくる!30年の休眠から目覚めるフレンチハッチ

■パリモーターショーで次期型キャトルの姿が明らかに

ルノーが2022年10月17日に発表する次期型キャトルのコンセプトカー。サイドビュー
コンセプトカーのシルエットによると、次期型キャトルはクロスオーバースタイルを採用する可能性が濃厚

2022年10月17日(現地時間)に開幕するパリモーターショーで、最新型ルノー4(キャトル、カトルとも)のショーカーが登場します。

1992年に生産を終えてから30年。久しぶりに蘇るキャトルはどんな姿で私たちの前に現れるのでしょうか。

●次のキャトルはクロスオーバーEVに?

30年ぶりに帰ってくる21世紀版のルノー キャトルは、1960〜80年代のオリジナルを現代的に解釈したデザインを採用するとのこと。

報道関係者向けの資料には「モロッコの子どもたちに学校備品を届けるという人道支援を目的とした、学生主体のラリーレイド“4Lトロフィ”を思い起こさせるものになる」との記述があるとおり、ラリースタイルをまとったコンセプトカーが登場すると予想されています。

ルノーが2021年に発表した次期型サンクのコンセプトカーとオリジナルのサンク
ルノーが2021年に発表した次期型サンクのコンセプトカー(写真右)とオリジナルのサンク

ルノーは2021年に、先行して5(サンク)の次期型を想定したコンセプトカーを発表済み。100%電気で走るコンパクトハッチとして、2024年に生産をスタートすると明言しています。

そのことから、次期型キャトルもEV化が濃厚。生活のためのクルマとして生まれながら、砂漠も走れる悪路走破性も兼ね備えていたオリジナルキャトルのキャラクターを考えると、次期型はクロスオーバー的なスタイルが採用されるかもしれません。

●世界中で愛された「クルマのジーンズ」

1961年製ルノー キャトル。フロント
1961年製ルノー キャトル

オリジナルのルノー キャトルは1961年に誕生。それから30年余り、100を超える世界の国や地域で800万台以上を販売したロングセラーモデルです。頑丈で使い勝手にも優れていたので、フランス国内では郵便局や憲兵隊(国家警察)の御用達として幅広く活躍。「クルマのジーンズ」の愛称は、まさにキャトルの特徴を的確に表現していました。

ピックアップ仕様やバギー仕様といったタフな派生車が生まれた一方で、フレンチカーならではのお洒落な雰囲気もキャトルのチャームポイントでした。その証といえるのが、「ラ・パリジェンヌ」と名付けられた特別仕様車です。

●雑誌ELLEとのコラボで「映える」キャトルも

1963年製ルノー キャトルのラ・パリジェンヌ仕様。フロントビュー
1963年製ルノー キャトルのラ・パリジェンヌ仕様

雑誌『ELLE』とのコラボレーション企画によって1963年に誕生したラ・パリジェンヌは、当時のパリの最先端ファッションを反映していました。

元々は読者向けの試乗キャンペーン用に作られた車両でしたが、この企画が大ヒットしてカタログモデルへ昇格。ボールドのボディ+籐カゴ柄、あるいはブラックボディ+ギンガムチェック柄といった小粋な組み合わせのキャトルは、1968年まで販売されました。

ルノーが2022年10月17日に発表するキャトルのコンセプトカー。正面シルエット
ルノーが2022年10月17日に発表する次期型キャトルのコンセプトカー

フレンチベーシックのアイコンは、電気自動車になっても「クルマのジーンズ」として長く広く愛されることになるのでしょうか。次期型キャトルのスタディモデルは、2022年10月17日9時(日本時間10月17日16時)にお披露目予定です。

(三代 やよい)

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三代やよい

自動車メーカー勤務後、編集・ライティング業に転身。メカ好きが高じて、クルマ、オートバイ、ロボット、船、航空機、鉄道などのライティングを生業に。乗り継いできた愛車は9割MT。ホットハッチとライトウェイトオープンスポーツに惹かれる体質。
生来の歴女ゆえ、名車のヒストリーを掘り起こすのが個人的趣味。
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