「未開地グンマー」への入口とネットで話題。立ち入り禁止の不思議な県境「毛無峠」ってどんなとこ?

■群馬県には入れない県境

●毛無峠にある長野県と群馬県の県境

県境となっている峠は各地に存在しますが、長野県と群馬県の県境にある毛無峠は、ちょっと変わった県境として有名です。

毛無峠にある長野県と群馬県の県境
毛無峠にある長野県と群馬県の県境

なぜなら、長野県側からアプローチすると、群馬県の標識が建っている県境の道路は鎖で通行止めとなっていて、傍らには「この先危険につき関係者以外立入禁止」の標識が建っています。

さらに「遭難多発区域」の標識が地面に置いてあって、より一層の怪しさを漂わせています。

「この先危険につき関係者以外立入禁止」の標識
「遭難多発区域」の標識

群馬県の標識の隣に「この先危険につき関係者以外立入禁止」の標識があるので、毛無峠は「秘境グンマー」とか「未開地グンマー」への入口としてネットで話題となり、人気ドライビングスポットになっています。

●グンマーになにがあった?

立入禁止となっている群馬県側には何があったのでしょう。

実は、この場所には硫黄を産出する小串鉱山がありました。小串鉱山は1929年〜1971年に硫黄を採掘していました。硫黄鉱山としては日本で2番目の規模を誇り、最盛期には2000人以上が暮らす町がありました。

毛無峠から見た小串鉱山跡

小串鉱山が群馬県内にあって、毛無峠の道路は群馬県の嬬恋村大前と長野県の須坂市を結ぶ大前須坂線となっていますが、この道路は小串鉱山内で途切れていて、嬬恋までは道路がありません。

ですから毛無峠へのアプローチは長野県須坂市からが基本で、群馬県側からは万座温泉・万座峠経由で一旦長野県に入らないといけません。

硫黄を運んだ索道の鉄塔

また、硫黄を運んだ索道(ロープウェイ)も長野県側につながっていて、索道の終点からは長野電鉄須坂駅まで硫黄を輸送。須坂駅から貨物列車で各地に出荷していたそうです。毛無峠付近には索道の鉄塔も残っています。

●毛無峠の見どころはほかにも

毛無峠は標高1823mという高地にあるので、須坂方面に広がる雲海が見られることもあります。体力に自信があるなら、毛無峠から標高1999mの破風岳に登れば、さらなる絶景を見ることができると思います。

毛無峠から見下ろす雲海

そんな毛無峠ですが、年々、群馬県の標識の文字が薄れているのも話題になっています。

2020年の群馬県標識

いずれは群馬県の文字が消えてしまうのか? それを見届けるため、毎年毛無峠に行く人もいるぐらいです。機会があればぜひ行ってみてください。

(ぬまっち)

この記事の著者

ぬまっち(松沼 猛)

ぬまっち(松沼 猛) 近影
1968年生まれ1993~2013年まで三栄書房に在籍し、自動車誌、二輪誌、モータースポーツ誌、鉄道誌に関わる。2013年に独立。現在は編集プロダクション、ATCの代表取締役。子ども向け鉄道誌鉄おも!の編集長を務める傍ら、自動車誌、バイク誌、鉄道誌、WEB媒体に寄稿している。過去に編集長を務めた雑誌はレーシングオン、WRCプラス、No.1カーガイド、鉄道のテクノロジー、レイル・マガジン。4駆ターボをこよなく愛し、ランエボII、ランエボVを乗り継いで、現在はBL5レガシィB4 GTスペックB(走行18万km!)で各地に出没しています。