汎用人型重機「零式人機 ver. 2.0」が京都鉄道博物館に出現

■高所重作業での活躍に期待

京都鉄道博物館では9月19日(月・祝)〜10月2日(日)まで、多機能鉄道重機(零式人機 ver. 2.0)を特別展示します。多機能鉄道重機とは、人型重機ロボットと鉄道工事用車両(軌陸車)を融合させた重機です。

多機能鉄道重機(零式人機 ver. 2.0)

これまで人が行ってきた作業を機械化することで、生産性と安全性の向上を狙っていて、JR西日本が株式会社人機一体、日本信号株式会社と共同で開発。2022年4月から試作機による試験を行っていて、2024年度春の実用化を目指しています。

●20個以上のモーターで両腕を駆動

ロボット本体は伸縮式ブームの先端に装備されています。

ロボット本体
本体には2本の腕と手があります

ロボット本体の両腕と手には合計20個以上のモーター(電動アクチュエーター)を内蔵していて、部品などを掴んで運ぶことができます。

頭にカメラを装備。カメラの映像は操縦者のヘッドディスプレイに映し出されて、まるで自分の目で見ているみたいな感覚で作業をすることができます。また、アームの状態も表示されています。京都鉄道博物館ではカメラの映像を映すディスプレイが設置されています。

頭部のカメラ
カメラの映像

操縦席は一般的な重機とはかなり印象が違っています。操縦者がヘッドディスプレイを装着しているのはもちろんですが、両手で操作する操縦桿も独特な形です。操縦にはバイテラル制御技術によって、まるで操縦者とロボットが機械的につながっているような感覚で操作できるそうです。

操縦席
両手で操作する操縦桿

京都鉄道博物館では9月23日(水)〜25日(日)、10月1日(土)・2日(日)の11時、13時、14時半、15時半にデモンストレーションを行います。デモンストレーションでは参加者から受け取ったスポンジの棒を器用に持ち替えて見せたり、参加者から渡された巨大な切符に入鋏して見せたりしてくれます。

デモンストレーションの様子

9月24日には多機能鉄道重機(零式人機 ver. 2.0)の開発の経緯や実走している技術についての講演会も予定しています。 詳しくは京都鉄道博物館のホームページをチェックしてみて下さい。

ぬまっち

【関連リンク】

京都鉄道博物館 多機能鉄道重機(零式人機 ver.2.0)特別展示
https://www.kyotorailwaymuseum.jp/news/sysimg/00921/link_K0Qni.pdf

この記事の著者

ぬまっち(松沼 猛) 近影

ぬまっち(松沼 猛)

1968年生まれ1993~2013年まで三栄書房に在籍し、自動車誌、二輪誌、モータースポーツ誌、鉄道誌に関わる。2013年に独立。現在は編集プロダクション、ATCの代表取締役。子ども向け鉄道誌鉄おも!の編集長を務める傍ら、自動車誌、バイク誌、鉄道誌、WEB媒体に寄稿している。
過去に編集長を務めた雑誌はレーシングオン、WRCプラス、No.1カーガイド、鉄道のテクノロジー、レイル・マガジン。4駆ターボをこよなく愛し、ランエボII、ランエボVを乗り継いで、現在はBL5レガシィB4 GTスペックB(走行18万km!)で各地に出没しています。
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