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■クラウンのグローバル戦略 はやくもフェラーリと火花か
トヨタ自動車が2022年7月15日、4ドアクーペモデル「クロスオーバー」やSUV仕様の「スポーツ」、そして「セダン」、ワゴンタイプの「エステート」など計4モデルを同時公開して大きな注目を集めた新型クラウンシリーズ。
グローバルモデルとして開発された「クロスオーバー」は日米で同時公開され、日本市場では9月1日に同シリーズ第1弾として正式発売されました。
ちなみにトヨタでは1958年に初代「トヨペットクラウン」を米国向け日本車として初めて販売。その後も中断を経ながら1972年まで販売を継続した実績があります。
今回のクラウン米国導入はそれ以来となり、今後世界で約40の国・地域に順次導入していくそうです。
●「RS」には“デュアルブーストハイブリッドシステム”を搭載
「クロスオーバー」の最上級モデルとなる「RS」には、低回転から力強いトルクを生み出す直4ターボエンジン(272ps/46.9kgm)、前輪駆動用モーター&6速AT、後輪駆動用モーター「eAxle」の協調制御に加え、新開発バイポーラ型ニッケル水素電池による“デュアルブーストハイブリッドシステム”を搭載。
新しい電動4WD方式「E-Four Advanced」では、FF用の「GA‐K」プラットフォームをベースにしながらも、前後輪へのトルク配分を後輪寄り(最大80%)に変化させることにより、FR車的なダイレクト感のある爽快なドライブフィールを得られるのが特徴で、そのシステム出力は350psに達しています。
●4モデルの中で最もスポーティな外観を纏うのがクラウン「スポーツ」
豊田章男社長によると、新型クラウン開発では「クロスオーバー」と「スポーツ」の2モデルを想定していたそうで、「セダン」と「エステート」については開発メンバーからの強い要望で追加することになった経緯があるそうです。
スポーツモデル好きの豊田社長らしいエピソードですが、このクラウン「スポーツ」の全長が「クロスオーバー」よりも200mm以上も短いことからも、同車が本格的なスポーツSUVを目指したモデルであることが窺えます。
実際ポルシェなど、欧州のスポーツSUV群にヒケをとらない迫力のある造形となっており、「何処がクラウン?」とする声が出ても不思議ではありませんが、ボリューミーなリヤ廻りの造形はかなり魅力的。
●フェラーリがクラウン「スポーツ」似の“プロサングエ”を発表
そうしたなか、2022年9月13日にフェラーリが同社初となるスポーツSUV「プロサングエ」を発表しました。
巷ではこのモデルのエクステリアがクラウン「スポーツ」に似ていると話題になっています。
具体的にはロングノーズ・ショートデッキ様式のSUVであることや、個性的な「コ」の字型のフロントランプ、サイドウインドウ廻りのグラフィック、抑揚のある前後フェンダー、極め付けがテールランプのデザイン。
確かに両モデルのデザインには類似性が感じられるものの、“スポーツSUV”を追求すれば最終的に行き着く姿であり、単なる偶然によるものと思われますが、トヨタがフェラーリよりも2ヶ月前に公開している点が注目されます。
そんなクラウン「スポーツ」には、クロスオーバー「RS」譲りのパワートレーンが搭載される可能性が高く、その走りはかなり期待できそうで、来年の発売に向けて開発が進む同車の登場が大いに待たれます。
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【関連リンク】
新型クラウン公式サイト
https://toyota.jp/crown/