■ただでさえ個性的なマセラティを1台だけに仕上げるフォーリセリエ
クルマ好きなら誰しも、自分だけの特別な一台を所有したいと思ったことがあるでしょう。
「マセラティに火星から特別な注文が入ったら?」と「もしもの世界」さえ実現可能なように表現するため、火星をモチーフにした特別仕様車「グレカーレ・ミッション・フロム・マース」が日本でお披露目されました。
マセラティのカスタマイズプログラム「フォーリセリエ」を使えば、ユーザーの希望にあったコンセプトでいくらでも自由に個性とクリエイティビティが表現可能になる、ということを表したかったコンセプトカーというわけです。ちなみに販売はされません。
マセラティのSUV「グレカーレ」をベースに、「火星からのオーダー」への対応は、火星の赤い砂と酸化した岩の組み合わせを全体の特徴とし、ボディ外観は鉱物性の砂を思わせる特殊な質感のメタリックカラーで塗装され、腐食金属をイメージしたデザインを車内、車外パーツに使用しています。
そのため、外観は、フォーリセリエ特有の多層式カラー、ギャラクティックオレンジ(Galactic Orange) で塗装。未来感の強いマットカラーに近いオレンジレッドの塗料に、溶けた金属を思わせる輝きを重ねることにより、滑らかなカラーを実現。
本来は、専用の渦巻き型ホイールが装備しているそうですが、今回の日本でのお披露目には残念ながら間に合わなかったのだそう。さらにタイヤも灰色として、火星をイメ ージしたのだそうです。
エンブレム類もフォーリセリエ専用です。リアピラーに配置されたトライデント(マセラティの象徴であるギリシア神話のポセイドンが持つとされる三叉の矛)をボディと一体化。2D(平面)のような見せ方を演出し、通常より大きい印象を与えます。
トライデントのデザインは、宇宙からの電波や光波などをシンボラ イズに描き、ハイスピードな動きを彷彿とさせるものとしました。
グレカーレ ミッション フロム マースは、マセラティ史上最大の12.3インチスクリーンをタップするだけで、他の惑星へ航行することも可能となるかもしれません。その時のために、車内の天井には、特別な「星図」が用意されています。
シートは、火星で発生する電気の流れのイメージと、宇宙飛行士の宇宙服と、最新のファッショントレンドをバランスよく組み合わせており、クラフトマンシップと革新の両者を表現。
単純なグラフィックにとどまらず、カラーと素材のディテールを追求することで、マセラティの特徴的なスタイルとして具現化するという成果を示しました。
と、難しい表現も多々ありますが、フォーリセリエなら、とにかく個性的な唯一無二のあなただけのマセラティができるというわけです。
現在のラインアップは、この「グレカーレ」の他に、フラッグシップの「クアトロポルテ」、スポーツセダン「ギブリ」、マセラティ初のSUV「レヴァンテ」、そしてスーパースポーツカーのMC20となっており、いずれもフォーリセリエの対象となっています。
マセラティという個性的なキャラクターを、さらに自分だけの一台に仕上げるフォーリセリエ。マセラティを選ぶ人ならとても気になるメニューと言えるのではないでしょうか。
(文・写真:小林和久)