2022年「トビー」も加わった大井川鐵道「きかんしゃトーマス号」にはこんな乗り物仲間も

■運転開始9年目を迎えた「きかんしゃトーマス号」

静岡県の大井川沿いを走る大井川鐵道は、イギリスの人気絵本・アニメ「きかんしゃトーマス」をモチーフとした「きかんしゃトーマス号」を2014年から期間限定で大井川本線新金谷〜千頭間を走らせていて、ファミリー層を中心に鉄道マニアまで幅広い人気を集めています。

大人気の「きかんしゃトーマス号」

トーマスたちは期間限定でソドー島から大井川鐵道に遊びに来ている…という設定で、例年夏季を中心に運行。クリスマス特別運行やハロウィン特別運行を行った年もありました。

みどりのトーマス号
2021年6月に運転された「みどりのトーマス号」

原作出版75周年を記念して「きかんしゃトーマス トーマスのはじめて物語」に登場した、ソドー島に着いた頃のトーマスを再現した「緑色のトーマス号」を2020年に運行する予定でしたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で中止。翌2021年6月に「みどりのトーマス号」として運行しました。

クリスマス特別運行ではサンタ装束で運行(2015年)
ハロウィン特別運行
ハロウィン特別運行を実施したこともあります(2019年)

9年目となる今年は、4月29日〜9月25日までの期間中、金曜〜月曜を中心に「きかんしゃトーマス号」を運行する予定(運行しない日もあります)。

●新しい仲間「きかんしゃトビー号」も運転開始

8月19日から運行を開始した「きかんしゃトビー号」

2022年8月19日からは、新たに「きかんしゃトビー号」の運行を開始しました。

トビーは木製車体の路面機関車で、石切場の支線で活躍しているという設定。角張った車体と牛よけが外観上の特徴となっています。

「きかんしゃトビー号」は「きかんしゃトーマス号」を運行する日に、支線の井川線千頭〜奥泉間を1日3往復します。1往復1時間15〜18分のツアーとなっていて、途中下車はできませんが、車内ではクイズ大会を催するなど、子どもたちを飽きさせない内容となっています。

●大井川鐵道で見ることができるトーマスの仲間たち

「きかんしゃトーマス号」「きかんしゃトビー号」だけでなく、大井川鐵道と沿線にはトーマスの仲間がたくさんいます。ここではそんな仲間たちを紹介します。

特殊消防車のフリン

「きかんしゃトーマス号」の始発駅となる新金谷駅に隣接している整備工場には、特殊消防車のフリンがいます。

フリンは道路と線路の両方を走ることができる軌陸車(実際は走行しません)。2019年から「きかんしゃトーマス号」の運転日に展示されていて、記念撮影スポットとなっています。

2かいだてバスのバルジー

バスの仲間もいます。2階建てバスのバルジーは、2020年から運行を開始しました。1955年製のロンドンバスがベースで、雰囲気は申し分なしです。

バルジーの1階席
バルジーの2階席

2階建てバスのバルジーは、静岡駅〜新金谷駅を運行して、新金谷駅で「きかんしゃトーマス号」に乗り換えて往復するツアーとして利用します。

実は、2019年にはロンドンバスを使用して同様のツアーを行い、翌年にバルジーに進化したという経緯があります。

2020年春まで運行した初代バーティー

バスのバーティーは、2016年から新金谷駅〜千頭駅間をツアー形式で運行しています。

初代は日野ポンチョがベースでしたが、2020年冬の運行からは日野メルファに変更して定員を増やしました。

二代目バーティー
初代バーティーの車内(2017年ハロウィン仕様)

バスのバーティーは片道を「きかんしゃトーマス号」と組み合わせたツアー形式として運行していて、運が良ければ「きかんしゃトーマス号」と並走することもあります。

●千頭駅で開催する「トーマスフェア」会場にいる仲間たち

「トーマスフェア」の会場

「きかんしゃトーマス号」の運転日には、終点の千頭駅構内で「トーマスフェア」を開催しています。

会場には緑のタンク式SLのパーシー、日本からソドー島にやって来たデゴイチのヒロ(千頭駅では9600形を改装)、そして赤いテンダー式SLのジェームスを展示しています。

なお、トーマスも折り返し時間に展示されて、最大4両が会場に並びます。

ジェースとトーマスの重連(2018年)

ジェームスは、2015〜2019年まで「きかんしゃジェームス号」をけん引していました。ジェームスとトーマスが重連運転をしたこともありましたが、現在は運行を休止していて「トーマスフェア」会場での展示のみとなっています。

ウィンストン

「トーマスフェア」の会場にはいろいろなアトラクションがあります。そのひとつが、「ウィンストンのレールライド」。線路点検車のウィンストン(足こぎ式)を自分で運転することができます。

ラスティー
いたずら貨車・いじわる貨車

千頭駅の隣にある井川線川根両国駅構内には、ラスティーといたずら貨車・いじわる貨車が展示されています。

ラスティーは2015年に「トーアスフェア」会場で展示され、翌2016年から今年8月15日まで「ラスティーの貨車遊覧」として千頭駅構内を運行していました。

8月15日まで運行した「ラスティーの貨車遊覧」(2019年)

年々充実している大井川鐵道「きかんしゃトーマス号」。キャンセルなどで空席が発生すれば、直前や当日でも乗車できるチャンスがあります。

新金谷駅付近と千頭駅付近には大きな駐車場を用意していますので、ドライブ気分で出かけるのもいいでしょう。

詳しくは大井川鐵道公式サイトをチェックしてみてください。

(ぬまっち)

【関連リンク】

大井川鐵道公式サイト
https://daitetsu.jp/dayoutwiththomas2022

この記事の著者

ぬまっち(松沼 猛) 近影

ぬまっち(松沼 猛)

1968年生まれ1993~2013年まで三栄書房に在籍し、自動車誌、二輪誌、モータースポーツ誌、鉄道誌に関わる。2013年に独立。現在は編集プロダクション、ATCの代表取締役。子ども向け鉄道誌鉄おも!の編集長を務める傍ら、自動車誌、バイク誌、鉄道誌、WEB媒体に寄稿している。
過去に編集長を務めた雑誌はレーシングオン、WRCプラス、No.1カーガイド、鉄道のテクノロジー、レイル・マガジン。4駆ターボをこよなく愛し、ランエボII、ランエボVを乗り継いで、現在はBL5レガシィB4 GTスペックB(走行18万km!)で各地に出没しています。
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