GT300第4戦富士優勝はSUBARU BRZ R&D SPORT。トップ次々と脱落のサバイバル戦を制す【SUPER GT 2022】

■ポールのLEON PYRAMID AMGが序盤に沈む!

8月7日(日)に静岡県の富士スピードウェイで開催された2022 AUTOBACS SUPER GT第4戦「FUJIMAKI GROUP FUJI GT 100Lap RACE」の決勝レース。前戦の第3戦鈴鹿から約2ケ月余りのインターバルを持って開催された第4戦は、6~7日の2日間で延べ47,900人の来場者となりました。

スタートの様子
スタートの様子

スターティンググリッドに全車が並んだ頃、突然にわか雨が降りだします。雨はスタート直前には止みますが路面の一部が濡れます。レーススタート前に静岡県警の白バイやパトカー先導によるパレードラップとフォーメーションラップがあるために、コースはおおかた乾くであろうという判断によりウェット宣言は出されず、各チームもスリックタイヤを装着してのレースとなります。

SUBARU BRZ R&D SPORT
SUBARU BRZ R&D SPORT

前日の予選Q1でトラブルがありタイムアタックが出来なかった5号車 マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号と、予選に出走出来なかった9号車 PACIFIC hololive NAC Ferrariの2台は修復が間に合い、GT300の参戦マシン26台が全てスターティンググリッドに並びました。

11号車 TANAX GAINER GT-R
11号車 TANAX GAINER GT-R

14時にパレードラップからフォーメーションラップ、そして決勝レーススタートとなります。そのパレードラップの際にTGRコーナー立ち上がりでGT500のマシンが濡れた路面にタイヤをすくわれたのか?コースアウトをしてしまいます。パレードラップはそれほど速度も出ていないためにすぐさまコースに復帰しましたが、この後に急遽フォーメーションラップが1周追加され、決勝の周回数は1周減算された99周となります。

Syntium LMcorsa GR Supra GT
Syntium LMcorsa GR Supra GT

決勝レースは、ポールポジションスタートの65号車 LEON PYRAMID AMG がスタートからトップを守り、2番手は61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTでしたが、7周目に4号車 グッドスマイル 初音ミク AMGに抜かれ、序盤はトップの LEON PYRAMID AMGがリードを広げ、グッドスマイル 初音ミク AMGとSUBARU BRZ R&D SPORTがトップを追いかけながら2番手争いをする展開となります。

SUBARU BRZ R&D SPORTとグッドスマイル 初音ミク AMGのバトル
SUBARU BRZ R&D SPORTとグッドスマイル 初音ミク AMGのバトル

15周目までに2番手以降に10秒以上の差をつけたLEON PYRAMID AMGは早くも独走態勢かと思われましたが、18周目になんと緊急ピットイン。右フロントのタイヤのハブにトラブルが出た様子で、このピットインを以ってリタイアとなってしまいました。

SUBARU BRZ R&D SPORTとグッドスマイル 初音ミク AMGのバトル
SUBARU BRZ R&D SPORTとグッドスマイル 初音ミク AMGのバトル

LEONのリタイアによってトップとなるのがグッドスマイル 初音ミク AMG。2番手にはSUBARU BRZ R&D SPORTを抜き去って10号車 TANAX GAINER GT-Rが浮上します。しかし38周目に10号車 TANAX GAINER GT-Rがピットインし、エンジン停止をして給油、エンジンを再始動しようとした際にトラブルが発生しエンジンが再始動できない状態に。これにより、ピットガレージに入れての修復となってしまったことで勝負権を失ってしまいます。

●トップだったグッドスマイル 初音ミク AMGもまさかのタイヤトラブル!

ライバル不在となったグッドスマイル 初音ミク AMGは2番手以降に10秒以上の差をつけ独走態勢を築いていました。その2番手は1回目の給油をスタート直後に済ませロングランを続けようとする55号車 ARTA NSX GT3。そのARTA NSX GT3が43周目にスローダウンしピットイン。

修復作業中のARTA NSX GT3
修復作業中のARTA NSX GT3

修復を行ってコースに復帰しますが再びスローダウンの末にコースサイドにマシンを止めてしまいます。これによりFCY(フルコースイエロー)が導入されました。

11号車 TANAX GAINER GT-R
11号車 TANAX GAINER GT-R

順調にトップを走るグッドスマイル 初音ミク AMGは、62周目に2度目のピットインとなります。2番手には11号車 GAINER TANAX GT-Rが浮上。そしてSUBARU BRZ R&D SPORTが3番手まで順位を戻してきました。

リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R
リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rのピット作業

順調な独走態勢で盤石に見えた4号車グッドスマイル 初音ミク AMGが77周目にまさかの事態が起こります。なんと左フロントタイヤがバースト。ピットに戻ってタイヤ交換をしますが、レース復帰後の順位はポイント圏外へと下がってしまいます。

●昨年(2021年)の覇者SUBARU BRZ R&D SPORTが今季初優勝

グッドスマイル 初音ミク AMGがポイント圏外まで順位を下げると、11号車 GAINER TANAX GT-Rがトップとなりますが、すぐ後ろにSUBARU BRZ R&D SPORTが迫ってきます。100LAPの残り15%となる79周目から、ここから2台の激しいバトルが展開されます。

終盤のトップ争い
終盤のトップ争い

61号車SUBARU BRZ R&D SPORTはコーナーが続く第3セクターで自慢のコーナーリングスピードを活かして前に出ますが、トップスピードが速い11号車 GAINER TANAX GT-Rは富士の長いストレートで抜き返します。この超接近戦ののち86周目にSUBARU BRZ R&D SPORTが遂にトップに躍り出ます。

SUBARU BRZ R&D SPORT
SUBARU BRZ R&D SPORT

そして、そのまま逃げ切って、昨年のGT300王者 SUBARU BRZ R&D SPORTが今季初優勝を飾りました。

チェッカーをくぐった瞬間を出迎える井口選手
チェッカーをくぐった瞬間を出迎える井口選手

山内英輝選手にとってはSUPER GT参戦100戦目のレースを勝利で飾ったことになります。2位は11号車 GAINER TANAX GT-R。3位には18号車 UPGARAGE NSX GT3が入ります。

優勝を喜ぶSUBARU BRZ R&D SPORTのドライバー
優勝を喜ぶSUBARU BRZ R&D SPORTのドライバー

またGT300クラスで最も重いサクセスウェイトの99kgを背負う56号車 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rは、予選10位から、なんと6位フィニッシュ。ドライバーランキングのトップを死守しています。

リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R
リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R

次戦は8月最終の週末、8月27日(土)、28日(日)に開催のSUZUKA GT 450km RACE。猛暑が予想される次戦ではどんなドラマが展開されるのでしょうか?

GT300クラス表彰式
GT300クラス表彰式

 


【SUPER GT2022 第4 富士 GT300 決勝結果】

順位 ゼッケン 周回数 車名 ドライバー
優勝 61 91周 SUBARU BRZ R&D SPORT 井口卓人 山内英輝
2位 11 91周 GAINER TANAX GT-R 安田裕信 石川京侍
3位 18 91周 UPGARAGE NSX GT3 小林崇志 太田格之進
4位 60 90周 Syntium LMcorsa GR Supra GT 吉本大樹 河野駿佑
5位 96 90周 K-tunes RC F GT3 新田守男 高木真一
6位 56 90周 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R 藤波清斗 J.P.デ・オリベイラ
7位 50 90周 Arnage MC86 加納政樹 阪口良平
8位 87 90周 Bamboo Airways ランボルギーニ GT3 松浦孝亮 坂口夏月
9位 88 90周 Weibo Primez ランボルギーニ GT3 小暮卓史 元嶋佑弥
10位 360 90周 RUNUP RIVAUX GT-R 青木孝行 柴田優作
11位 31 90周 apr GR SPORT PRIUS GT 嵯峨宏紀 中山友貴
12位 9 90周 PACIFIC hololive NAC Ferrari 木村武史 ケイ・コッツォリーノ 川端 伸太朗
13位 4 90周 グッドスマイル 初音ミク AMG 谷口信輝 片岡龍也
14位 52 90周 埼玉トヨペットGB GR Supra GT 川合孝汰 菅波冬悟
15位 30 89周 apr GR86 GT 永井宏明 織戸 学
16位 6 89周 Team LeMans Audi R8 LMS 片山義章 R.メルヒ・ムンタン
17位 5 89周 マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号 冨林勇佑 平木玲次
18位 2 89周 muta Racing GR86 GT 加藤寛規 堤 優威
19位 48 88周 植毛ケーズフロンティア GT-R 井田太陽 田中優暉
20位 22 86周 アールキューズ AMG GT3 和田久 城内政樹
21位 7 83周 Studie BMW M4 荒 聖治 アウグスト・ファルフス
22位 10 77周 TANAX GAINER GT-R 富田竜一郎 大草りき
リタイア 43 48周 ARTA NSX GT3 武藤英紀 木村偉織
リタイア 20 28周 シェイドレーシング GR86 GT 平中克幸 清水英志郎
リタイア 65 48周 LEON PYRAMID AMG 蒲生尚弥 篠原拓朗
リタイア 244 0周 HACHI-ICHI GR Supra GT 佐藤公哉 三宅淳詞

(写真:吉見 幸夫/文:松永 和浩

この記事の著者

松永 和浩

松永 和浩 近影
1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。