■最高にクール
「私、青が好きなのよ」
助手席の彼女が話しかけてきた。
「この青はいいよね。よく似合っている」
不意打ちされたようなボクの表情を見て、こう続けた。
「BMWのエンブレムだって青でしょ」
なるほど。そういう視点は初めてだ。そしてちょっと面白い。
オープンカーが普通のクルマと大きく違うところは、まわりから車内が丸見えだということだ。解放感と引き換えに、車内をさらけ出しているのである。
だから、普通のクルマ(屋根が開かないクルマ)だと覗き込まない限り外からわからないインテリアカラーも、オープンカーだと意味合いが違ってくる。それ自体、そしてボディカラーとインテリアカラーの組み合わせも自己主張になってくるのだ。
だからこそ、オープンカーは派手な内装色を選ぶべきだと思っている。ボディカラーは地味目で内装色が派手なんて最高にクールじゃないだろうか。
そしてボクが選んだ内装色はアイボリー・ホワイト。けっこう華やかだと思う。
「白内装。明るくてよいね」と彼女も気に入ってくれているみたいだ。
●とっても滑らか
BMW「M4カブリオレ」は、510psのエンジンを積む高性能スポーツカーだ。BMWの6気筒エンジンだけあって、アクセルを踏んで回転が上がるときの高揚感や高回転のパンチ力、そして響く音がテンションを上げてくれる。
その加速感を「グイグイ行く感じが楽しい」と表現する彼女は、どうやら助手席からエンジンの性能の高さを感じているっぽい。なかなかやるね。
「速いね。だけどとっても滑らか。不思議な感じ」
そうそう、それが色気のあるスポーツカーの色艶なのだ。そしてそれは、とても奥深い。いつもドライブに付き合ってくれる彼女のように。