目次
■GR86の新色はフレイムオレンジ、初代86の特別色はソーラーオレンジだった
2022年7月24日、TOYOTA GAZOO Racingは、初代86の誕生から10周年を記念したGR86の特別仕様車RZ“10th Anniversary Limited”を期間限定販売することを発表しました。
この特別仕様車のボディカラーは、初代86を彷彿させるフレイムオレンジを採用。さらに、インテリアにも専用のオレンジアクセントやキャストブラック加飾、10周年記念刺繍などが施されています。
7月24日~9月30日までの期間限定で予約受注を行い、2023年初頭の発売を予定しています。
2代目の現行型GR86では、専用色のボディカラーを採用したモデルはこのRZ“10th Anniversary Limited”が初めてとなります。しかし、初代86では何度か専用のボディカラーを纏った特別仕様車が発売されています。
ここでは、初代86で設定された専用のボディカラーの特別仕様車を振り返りつつ、現在の中古車事情にも触れてみたいと思います。
●初代86にも人気の特別設定色があった
初代86でスペシャルなボディカラーを纏った特別仕様車が初めて設定されたのは、2015年7月のこと。この時は特別仕様車GT“Yellow Limited”が期間限定で設定されました。
この特別仕様車は、GTグレードをベースに、ボディカラーには特別設定色のサンライズイエローを採用しています。内装は黒を基調として、シートやステアリングなど随所にイエローのステッチをあしらっています。
また、シート表皮に本革×アルカンターラを採用し、さらにメーターバイザー部にもアルカンターラを使用するなど上質感を演出しています。そのほか特別装備として、ブラック塗装のドアミラーや17インチアルミホイール。イエローの86エンブレムを採用しています。
同時に、専用のエアロパーツを採用したカスタマイズカーの86GT “Yellow Limited エアロパッケージ”ならびに86GT “Yellow LimitedエアロパッケージFT”を設定しています。
現在、86GT“Yellow Limited”の中古車は約6台流通しており、中古車相場は約148万~約289万円となっています。
GT“Yellow Limited”に続いて、2016年11月に登場したのが特別仕様車のGT“Solar Orange Limited”です。こちらも期間限定で注文を受付し、販売されました。
この特別仕様車は、GTグレードをベースに特別塗装色のボディカラーであるソーラーオレンジを採用しています。内装はブラックを基調として、シートやステアリングなど随所にオレンジのステッチをあしらい、スポーティ感を際立たせています。
また、本革×アルカンターラのシート表皮で、前席にはヒーター機能を採用。さらに、グランリュクスを用いたインストルメントパネルを採用することで、特別感と上質感を両立しています。
このGT“Solar Orange Limited”が設定されたタイミングで、86GT“Limited・High Performance Package”を設定。GT“Limited”をベースにブレンボ社製の高性能ブレーキを採用することで、優れた制動性能を確保しています。
また、専用の17インチアルミホイールやSACHS(ザックス)アブゾーバーを装備し、高い操縦安定性を追求しています。なお、GT“Limited・High Performance Package”は特別仕様車のGT“Solar Orange Limited”にも装着可能となっています。
現在、86GT“Solar Orange Limited”の中古車は約6台流通していて、価格帯は約270万~約307.8万円です。
●ブリティッシュ・グリーンが高額化
2017年9月に初代86は一部改良を行います。この一部改良ではステアリングの支持剛性強化やパワーステアリングの再チューニングにより、ハンドリングのダイレクト感に磨きを掛けました。
また、サイドミラーとリアスポイラー、アルミホイールをブラック塗装で統一し、ブレンボ社製ブレーキを標準装備したGT“Limited・Black Package”を新たに設定しました。そして、この際に2018年2月生産分までの期間限定色の新色としてソリッドグレーを設定しています。
このソリッドグレーを纏った初代86の中古車は現在、約14台流通していて、中古車の価格帯は約216万~約297万円となっています。これまでの2台は特別仕様車でしたが、このソリッドグレーは期間限定色ということで、特別装備がないことから中古車相場は安めとなっています。
そして、2019年2月に特別仕様車であるGT“British Green Limited”を期間限定発売しました。この特別仕様車は、GTグレードをベースに特別設定色のブリティッシュグリーンを纏っています。
内装は本革×アルカンターラのシート表皮を採用し、フロントシートにはヒーター機能を採用しています。さらに、ステアリングホイール、シフトブーツなど随所にタン色のステッチをあしらいました。
インストルメントパネルオーナメント、メーターバイザーなどにグランリュクスを採用。シフトレバーやステアリングホイールのベゼルにキャストブラック塗装を施すことで、上質感やスポーティ感を両立しています。
GT“British Green Limited”の中古車は現在、約9台流通していて、価格帯は約260万~約397万円と新車時価格を超える中古車も流通しています。
人気のボディカラーは白(パール)、黒となっていますが、スポーツカーの場合、ビビッドなボディカラーが人気となることもあります。今回紹介した4色の中では、イエローとブリティッシュグリーンの人気が高くなっているようです。
(文:萩原 文博、写真:トヨタ自動車、萩原文博)