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■IS 500 F SPORT Performanceのルーツと言えるIS Fは2007年に登場
レクサスは2022年7月21日、5L V型8気筒エンジンを搭載した「IS 500 F SPORT Performance」を8月25日(木)より日本市場に導入することを発表しました。
スポーティセダンのISに最高出力481ps・最大トルク535Nmを発生する5L V型8気筒自然吸気エンジンを搭載したモデルといえば、2007年〜2014年まで販売されたレクサスIS Fを思い浮かべる人も多いはずです
そこで、ここではIS 500 F SPORT PerformanceのルーツといえるIS Fの車両解説とともに、最新の中古車事情を紹介しましょう。
●レクサスのプレミアムスポーツがIS F
レクサスIS Fはプレミアムスポーツモデルとして2007年10月に発表、車両本体価格766万円で12月から販売開始されました。
IS Fの“F”は徹底的な走りの鍛え込みを行ったホームサーキットの富士スピードウェイの頭文字である“F”が由来です。
その“F”の冠を与えられたレクサスのプレミアムスポーツは、「基本性能を徹底的に鍛え込むとともに、走りの新技術を備えることにより、レクサスの新しいパフォーマンスを提案する」ことをコンセプトとしています。
IS Fはドライバーの意思にしっかりと応え、クルマを自在に操ることができるという、クルマの根源的な魅力である「運転する楽しさ」を極限まで追求したモデルに仕立てられています。
インテリジェントスポーツセダン・ISのボディに、最高出力423ps・最大トルク505Nmを発生する5L V型8気筒自然吸気エンジンをはじめ、当時世界初だった8速スポーツダイレクトシフトなど、新開発のパワートレインを搭載しています。
さらにエンジン、ステアリングブレーキを統合制御することで、高い車両安定性と予防安全性能を発揮するVDIMにスポーツモードを設定しています。
8速スポーツダイレクトシフトは電子制御技術により、ATとMTのメリットを両立させ、2ペダルトランスミッションの新たな価値を提案。Mポジションでは、世界最速レベルの変速レスポンスを実現するとともに、エンジンとトランスミッションを直結状態とすることで、ダイレクトなアクセルレスポンスを実現。駆動方式はFR(後輪駆動)のみとなっています。
2009年8月の一部改良では、優れた操縦性、走行安定性と高いトラクション性能を発揮するトルセンLSDを標準装備としました。さらにステアリングホイール、19インチ鍛造アルミホイールの意匠を変更。標準装備のHDDナビゲーションに通信で地図更新が行える「マップオンデマンド」機能などを追加しました。
2011年8月に行った一部改良では、運転する楽しさを追求し、優れた操縦安定性・走行安定性を発揮する新ショックアブソソーバーの採用に加えて、コイルスプリングやバウンドストッパーなどサスペンションチューニングを最適化。また、ヘッドライトにL字型のポジションランプを採用しました。
2013年9月に一部改良を行い、フロントのフォグランプをLEDタイプへの変更をはじめ、カーボン製リアスポイラーの採用。また、スポーツシート全席のヘッドレストに“F”ロゴを立体的に表現したエンボス加工を施しています。
同時に設定された特別仕様車の「ダイナミックスポーツチューニング」は、エンジンのピストンなどの部品のフリクション低減をはじめ、組み立てを行うときにバランス取りを行い、NAながら最高出力7psアップと滑らかな回転フィールを実現。さらに、ボディ開口部に新しい接着技術を採用することで、ボディ剛性を向上させています。
●徐々に値上がっているIS Fの中古車事情
現在、IS Fの中古車の流通台数は約63台で平均価格は約275.4万円。中古車の価格帯は約140万〜約569.8万円となっています。3ヵ月前の2022年4月時点では流通台数が約50台。平均価格は約268万円だったので、流通台数の増加に伴い、平均価格も上昇に転じています。
国産、輸入車問わず、大排気量エンジンを搭載した中古車は、税金面などで敬遠されることが多いのですが、5L V8エンジンを搭載しているIS Fも200万円以下の中古車が数多く流通しています。
流通している中古車の走行距離は延びていますが、レクサスが手掛けた渾身のエンジンだけに、メンテナンスさえされていれば、走行距離10万kmぐらいではビクともしないだでしょう。逆に言えば、匠たちの想いが詰まったIS Fが200万円ぐらいで買えてしまうのが夢のような話と言えます。
特に、5L V8自然吸気エンジンは、電動化が進む今後、なかなか味わうことができなくなるはず。そういったことを考えると、中古車相場が安定している今が、IS Fを購入するチャンスと言えるでしょう。電動車に乗り換える前に、一度は味わってみたい珠玉のエンジンです。
(文:萩原 文博/写真:トヨタ自動車)
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